農林水産物・食品の輸出額 2025年は1兆7,005億円で13年連続の増加 「2025年に2兆円」の目標には2,995億円届かず
テーマ:国会・農業|出来事:(衆議院 予算委員会)〜2026年4月2日(参議院 農林水産委員会)|公開日:|資料を確かめた日:|最終更新:

国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。輸出額は、農林水産省が財務省の貿易統計をもとに作った資料で確かめました。引き算・割り算は、このページで計算しました。
要点
- 鈴木農林水産大臣の「一兆七千五億円と、十三年連続で増加」は、農林水産省の資料の数と合います。2025年の農林水産物・食品の輸出額は1兆7,005億円で、2024年(1兆5,071億円)より1,934億円、12.8%増えました。農林水産省の資料では、2012年の4,497億円から毎年増え、2025年で13年続けて前の年を上回っています。(資料01・03)
- 農林水産省は以前、「二〇二五年二兆円目標」を掲げていました。2023年2月8日の衆議院予算委員会で、野村農林水産大臣(当時)は「二〇二五年二兆円目標の前倒し達成を目指して」と答えています。2025年の実績は1兆7,005億円で、2兆円との差は2,995億円です。(資料03・04)
- いまの目標は「二〇三〇年に五兆円」です。2026年4月2日の参議院農林水産委員会で、農林水産省の輸出・国際局長は「二〇三〇年五兆円目標を達成するためには、非常に大きな乖離ございます」と答えました。2025年の1兆7,005億円から5年で5兆円にするには、毎年およそ24%ずつ増やす計算になります(このページの計算)。2025年の伸びは12.8%でした。(資料02・03)
根拠
輸出額の推移(農林水産省の資料)
| 年 | 輸出額 | 前の年との差 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2012年 | 4,497億円 | 資料03 | |
| 2013年 | 5,505億円 | +1,008億円 | 資料03 |
| 2020年 | 9,860億円 | +739億円 | 資料03 |
| 2022年 | 1兆4,139億円 | +1,757億円 | 資料03 |
| 2023年 | 1兆4,541億円 | +402億円 | 資料03 |
| 2024年 | 1兆5,071億円 | +530億円 | 資料03 |
| 2025年 | 1兆7,005億円 | +1,934億円(+12.8%) | 資料03 |
出典:資料03 の2ページのグラフ「農林水産物・食品 輸出額の推移」の数。前の年との差は、このページの引き算です(2025年の差と率は資料03 の1ページの表にもある)。省いた年(2014〜2019年・2021年)も、グラフでは毎年前の年より多くなっています。
目標と実績(このページの計算)
- 2025年2兆円の目標:2兆円−1兆7,005億円=2,995億円。実績は目標の約85%
- 2030年5兆円の目標:5兆円÷1兆7,005億円=約2.94倍。5年で2.94倍にするには、毎年約24.1%の伸びが続く計算です(2.94 の5乗根−1)
比べ方の注意
- 農林水産省の資料は「財務省「貿易統計」の修正(確々報値)を基に修正」した数です(資料03)。2023年2月8日に野村大臣が答えた2022年の輸出額「一兆四千百四十八億」は、いまの資料では1兆4,139億円です。あとで数が直ることがあります
- 資料03 のグラフでは、2020年から「少額貨物」(1品目20万円以下の貨物)の額が入っています。2025年の少額貨物は1,031億円です
- 「十三年連続」は輸出額の合計の話です。品目ごと・国ごとには、前の年より減った物もあります(資料03 の3ページ以降に、減少が大きい品目と国・地域の表がある)
資料
資料の一覧(5件)
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 国会会議録 衆議院 予算委員会 2026年2月27日 #62・#63 https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122105261X00220260227/63 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 02 | 国会会議録 参議院 農林水産委員会 2026年4月2日 #36・#37・#39 https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122115007X00520260402/37 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 03 | 農林水産省 輸出・国際局「2025年 農林水産物・食品の輸出額」(PDF 7ページ) https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/attach/pdf/zisseki-280.pdf ページ https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/zisseki.html | 公式資料 | 2026-10-25(1ページに「対前年比+12.8%の1兆7,005億円」「13年連続で過去最高を更新」。2ページに2012〜2025年のグラフ) |
| 04 | 国会会議録 衆議院 予算委員会 2023年2月8日 #19(野村農林水産大臣) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121105261X00820230208/19 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 05 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 に、発言の API で検索。語「二〇二五年二兆円」・発言者の肩書「農林水産大臣」(期間の指定なし)で1件(資料04)。語「五兆円 輸出」・第221回国会で32件 |
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年2月27日 衆議院 予算委員会(資料01)
宮下一郎(自由民主党・無所属の会)#62
[中略]鈴木大臣に、こうした農産物、食料品の輸出拡大につながる取組の現状についてお伺いをしたいと思います。
鈴木憲和 農林水産大臣 #63
[中略]その上で、直近の農林水産物、食品の輸出額は一兆七千五億円と、十三年連続で増加をしております。品目別に見ても、牛肉、緑茶、米、米加工品など、輸出重点品目三十一品目のうち十三品目で過去最高を記録をしております。[中略]
2026年4月2日 参議院 農林水産委員会(資料02)
徳永エリ(立憲民主・無所属)#36
[中略]昨年の輸出額は過去最高の一兆七千億円ということになりましたが、二〇三〇年まではあと五年しかありません。この一兆七千億からどのようにして五兆円の目標の達成につなげていくのか、お伺いします。
杉中淳 農林水産省輸出・国際局長 #37
お答えいたします。
議員御発言のように、昨年の農林水産物・食品の輸出額は一兆七千五億円と十三年連続で増加し、過去最高を記録しております。これは、これまでの官民を挙げての取組の成果だと考えております。一方で、今後、二〇三〇年五兆円目標を達成するためには、非常に大きな乖離ございますので、輸出拡大の抜本的なベースアップが不可欠だと考えております。[中略]
杉中淳 農林水産省輸出・国際局長 #39
[中略]輸出に関する政府目標については、輸出量ではなく、付加価値の向上に関する単価の向上を含めた政策効果を総合的に評価する観点から、金額ベースで二〇三〇年に五兆円まで拡大するということにしています。[中略]
2023年2月8日 衆議院 予算委員会(資料04)
野村哲郎 農林水産大臣(当時)#19
今お話がありましたように、昨年一年間の輸出総額は一兆四千百四十八億ということで、十年連続で最高を記録をいたしております。[中略]
農水省としましては、二〇二五年二兆円目標の前倒し達成を目指して更なる輸出拡大に向けた支援を進め、我が国の農林水産業の稼ぐ力を強化してまいりたいと思っているところでございます。
会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2023年2月8日 | 野村農林水産大臣が、2022年の輸出額「一兆四千百四十八億」と「二〇二五年二兆円目標の前倒し達成」を答弁 | 資料04 |
| 2026年2月27日 | 鈴木農林水産大臣が、輸出額「一兆七千五億円」「十三年連続で増加」と答弁 | 資料01 |
| 2026年4月2日 | 農林水産省の輸出・国際局長が、2030年5兆円の目標とは「非常に大きな乖離」と答弁 | 資料02 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 国会の字は、すべて国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました(2026年10月25日)。会派の名前も会議録の欄のとおりです
- 2025年の輸出額1兆7,005億円、前の年からの増え方、2012〜2025年の推移は、農林水産省の PDF(資料03)を開いて確かめました(2026年10月25日)
- 「2025年2兆円」の目標は、2023年の農林水産大臣の答弁(資料04)で確かめました
- 差・倍・年あたりの伸びは、このページで計算しました
読むときの注意
- 「2025年2兆円」「2030年5兆円」の目標は、国会の答弁の字で示しています
コメント
この記事へのご意見・ご指摘をどうぞ。内容を読んでから表示します(コメントの決まり)。
