国家公務員災害補償法の改正案 遺族補償年金で夫にだけある「55歳以上」の要件をなくす 遺族1人の年金は平均給与額の175日分に
テーマ:国会・公務員|出来事:2026年8月7日(人事院の意見の申出)〜2026年10月22日(衆議院の内閣委員会に付託)〜審議中|最終更新:2026年10月31日
法律案の中身は、衆議院のページに載っている法律案の本文の字です。いまの決まりと見直しの趣旨は、人事院の資料の字です。引き算は、このページで計算しました。2026年10月25日の時点で、この法律案を審議した会議の会議録はありません。
要点
- 内閣は2026年10月9日、国家公務員が公務で亡くなったときの遺族の年金などの決まりを変える法律案を国会に出しました。国家公務員災害補償法と国家公務員共済組合法をまとめて直す法律案です。理由には、人事院の「令和八年八月七日付けの意見の申出に鑑み」と書いています。衆議院では10月22日に内閣委員会に付託され、10月25日の時点で審議中です。(資料01・02)
- 遺族補償年金を受けられる遺族の要件から、夫にだけある「55歳以上か一定の障害」の条件を外します。人事院の資料では、いまは配偶者が夫のときだけ「被災職員の死亡時に55歳以上又は一定の障害の状態にあること」が求められ、見直し後は「なし(配偶者が妻である場合と同じ)」です。法律案の本文は「妻」を「配偶者」に改め、要件の並びから「夫」を削っています。共済組合の公務遺族年金でも、同じように「夫」を削ります。(資料02・03)
- 遺族が1人のときの年金額は、平均給与額の153日分から175日分になります。いまは、55歳以上の妻か一定の障害の状態にある妻のときだけ175日分です。見直し後は、遺族が1人ならだれでも175日分です(差は22日分。このページの計算)。(資料02・03)
- 補償を受ける権利の時効は、公務によるものかすぐに判断できない病気なら、療養補償などでも5年になります。いまの療養補償・休業補償・介護補償・葬祭補償の時効は2年です。人事院の資料は、対象の病気を「脳・心臓疾患、精神疾患等を想定」と書き、人事院規則で決めるとしています。施行は2027年4月1日です。(資料02・03)
根拠
いまと法律案のあと(本文の条ごと)
| 項目 | いま | 法律案のあと | 出典 |
|---|---|---|---|
| 遺族補償年金の受給資格(夫) | 職員の死亡時に55歳以上か、一定の障害の状態にあること | 要件なし(妻と同じ) | 資料02 第1条(第16条第1項)・資料03 |
| 遺族が1人のときの年金額 | 平均給与額×153日(55歳以上の妻・一定の障害の状態にある妻は×175日) | 平均給与額×175日 | 資料02 第1条(第17条第1項)・資料03 |
| 療養補償・休業補償・介護補償・葬祭補償の時効 | 2年 | 2年。ただし、人事院規則で決める判断の難しい病気は5年 | 資料02 第1条(第28条)・資料03 |
| 傷病補償年金・障害補償・遺族補償の時効 | 5年 | 5年(変わらない) | 資料02 第1条(第28条) |
| 共済組合の公務遺族年金など | 遺族の要件の並びに「夫」がある | 「夫」を削る | 資料02 第2条 |
| 施行 | ― | 2027年4月1日(経過措置の一部は公布の日) | 資料02 附則第1条 |
このページの計算
- 175日−153日=22日
比べ方の注意
- 施行の日より前に年金を受ける理由が生じた遺族は、要件と額は「なお従前の例による」(いままでの決まりのまま)と書いています(資料02 附則第2条)
- 人事院の資料は、見直しの背景に「令和8年7月の遺族補償年金の支給要件等の見直しを内容とする労災保険法一部改正法の成立」を挙げています(資料03)
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 衆議院「閣法 第222回国会 4 国家公務員災害補償法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案」議案審議経過情報 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE346A.htm | 公式資料 | 2026-10-25(衆議院の受理 2026年10月9日・付託 10月22日 内閣委員会。審査終了・審議終了の欄は空) |
| 02 | 衆議院 同法律案の本文(提出時法律案) https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22209004.htm | 公式資料 | 2026-10-25(第1条・第2条・附則・理由を読んだ) |
| 03 | 人事院「本年の国家公務員災害補償法の改正についての意見の申出のポイント」令和8年8月(PDF 1ページ) https://www.jinji.go.jp/content/000017814.pdf 勧告のページ https://www.jinji.go.jp/seisaku/kankoku/archive/r8/r8_top.html | 公式資料 | 2026-10-25 |
| 04 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 19時台に、会議の一覧の API で第222回国会を検索。28件 |
国会のやりとり
2026年10月25日の時点で、この法律案を審議した会議の会議録はありません(資料04)。審議が会議録に載ったら、ここに足します。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年8月7日 | 人事院が国会と内閣に意見の申出 | 資料02(理由)・資料03 |
| 2026年10月9日 | 内閣が法律案を国会に提出(衆議院が受理) | 資料01 |
| 2026年10月22日 | 衆議院の内閣委員会に付託 | 資料01 |
| 2026年10月25日現在 | 衆議院の審査終了・審議終了の欄は空 | 資料01 |
| この後 | 委員会・本会議の採決と会派の賛否は、衆議院の記録に載ったらここに足します | 資料01 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 夫の要件を外すこと、遺族1人の額を175日分にすること、時効の分け方、施行の日は、衆議院のページの法律案の本文(資料02)で読みました(2026年10月25日)
- いまの要件(夫だけ55歳以上か一定の障害)は、人事院の資料(資料03)の「現行」の字です
- 提出の日・付託の日と、審議中であることは、衆議院の議案のページ(資料01)で確かめました
読むときの注意
- 時効を5年にする病気の範囲は、人事院規則で決まります
- 地方公務員の同じ見直しは、別の法律案(閣法5)です
