病院の消費税の補てん率、首相の「医科全体では100%を超えて」は令和6年度の101.5% 開設者別では公立83.2%、医療法人118.2%
◷ 書き起こし(会議録は後日)
テーマ:医療・税|出来事:2025年11月28日(中医協の資料)・2026年10月14日(衆院予算委)|最終更新:2026年10月31日
このページの国会の字は、衆議院インターネット審議中継の音声を番組が書き起こした字です。会議録が出たら照らし直します。補てん率の数字は、厚生労働省の資料の字で、割り算はこのページでしました。
要点
- 保険診療は消費税がかかりません。そのため病院は、薬や機器を買うときに払った消費税を、患者から受け取る形で回収できません。国は、その分を初診料・入院料などの診療報酬に上乗せしています。どこまで埋まっているかを示すのが「補てん率」(上乗せ分÷払った消費税の5%分)です。(資料01・02)
- 首相は10月14日、「直近は令和6年度になりますが、病院と一般診療所を合わせた医科全体では100%を超えております」と答えました。厚生労働省の資料では、令和6年度の医科全体は101.5%で、答弁と合います。病院は104.9%、一般診療所は93.5%です。(資料01・03)
- 病院の中で分けると、100%を下回る種類があります。こども病院は90.3%、一般病院を開設者別に見ると公立は83.2%、医療法人は118.2%です。どれも1施設あたりの平均で、個々の病院の補てん率は資料に出ていません。首相も同じ答弁で「個々の医療機関の間では補てんの状況について、ばらつきが生じ得る」と述べています。(資料01・03)
根拠
補てん率の検算(令和6年度・1施設1年あたり)
| 区分 | 報酬上乗せ分(A) | 5%相当負担額(B) | A÷B | 資料の字 |
|---|---|---|---|---|
| 医科全体 | 4,564千円 | 4,497千円 | 101.5% | 101.5% |
| 病院 | 46,397千円 | 44,233千円 | 104.9% | 104.9% |
| 一般診療所 | 1,359千円 | 1,453千円 | 93.5% | 93.5% |
| 歯科診療所 | 758千円 | 841千円 | 90.1% | 90.1% |
| 保険薬局 | 617千円 | 595千円 | 103.7% | 103.7% |
出典:資料01(6ページ)。A÷B はこのページの計算で、どれも資料の字と合います。
| 病院の区分 | 報酬上乗せ分(A) | 5%相当負担額(B) | A÷B |
|---|---|---|---|
| 一般病院 | 43,912千円 | 41,636千円 | 105.5% |
| 精神科病院 | 20,639千円 | 18,816千円 | 109.7% |
| 特定機能病院 | 492,819千円 | 486,811千円 | 101.2% |
| こども病院 | 213,093千円 | 235,860千円 | 90.3% |
| 一般病院のうち医療法人 | 29,905千円 | 25,292千円 | 118.2% |
| 一般病院のうち国立 | 84,146千円 | 77,621千円 | 108.4% |
| 一般病院のうち公立 | 71,274千円 | 85,648千円 | 83.2% |
出典:資料01(7・8ページ)。A÷B はこのページの計算で、どれも資料の字と合います。
比べ方の注意
- 補てん率は、医療経済実態調査に答えた医療機関(病院は804施設など)の平均です。外れ値は除いてあります(資料01 6ページの注)
- 前の年(令和5年度)は、医科全体103.4%・病院106.3%でした。令和6年度は前の年より下がっています(資料01 6ページ)
- 「5%相当負担額」は、課税経費の消費税のうち5%分です。消費税率10%のうち、診療報酬で補てんする対象として資料が数えている分です(資料01 3ページ)
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第631回)総-1-1「控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況の把握〈令和7年度〉」2025年11月28日(PDF 3・5〜8ページ) https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001600990.pdf | 公式資料 | 2026-10-25 |
| 02 | 国税庁 タックスアンサー No.6201「非課税となる取引」(社会保険医療の給付等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6201.htm | 公式資料 | 2026-10-18(番組の台本の確認日) |
| 03 | 衆議院インターネット審議中継 2026年10月14日 予算委員会(福田徹議員の質問と首相の答弁) https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56451&media_type= | 中継の映像 | 2026-10-18(番組が取得し、書き起こし3本で字を照らした) |
| 04 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 18時台に、会議の一覧の API で第222回国会を指定して28件。衆議院の予算委員会は10月9日の1件だけ |
国会のやりとり
◷ 書き起こし(会議録は後日)。字は中継の音声の書き起こしです。会議録が出たら、会議録の字に直します。
2026年10月14日 衆議院 予算委員会(資料03)
福田徹 議員(国民民主党・無所属クラブ)質問
小さな注射器1本まで、すべて消費税を支払って購入しております。一方で保険診療は非課税ですので、患者さんから消費税を受け取ることができません。
[中略]総理、この多くの医療機関が、控除対象外消費税により経営が圧迫されているという実態、これ把握されていらっしゃいますでしょうか。
高市早苗 内閣総理大臣 答弁
社会保険診療は非課税でございます。医療機関にとって仕入れ税額控除できませんから、診療報酬に仕入れ時の消費税額相当分の上乗せを行って、実質的に医療機関の負担とならないように手当てをいたしております。この手当てによる補てん率の調査なんですが、直近は令和6年度になりますが、病院と一般診療所を合わせた医科全体では100%を超えておりますので、全体としては必要な手当てがなされていると考えています。一方で個々の医療機関の間では、補てんの状況について、ばらつきが生じ得るということも認識をいたしております。
会派の名前は、番組の台本の記録(中継の名札)によります。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2025年11月28日 | 中医協の総会に、令和6年度の補てん率(医科全体101.5%など)の資料が出る | 資料01 |
| 2026年10月14日 | 衆院予算委で、福田議員が控除対象外消費税を質問し、首相が「医科全体では100%を超えて」と答弁 | 資料03 |
| この後 | 10月14日の会議録が載ったら、国会の字を照らし直し、札を変えます | 資料04 |
訂正の記録
なし
関連する解説動画
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ショート(1分12秒)
病院の消費税 補てんは足りている? 首相「100%を超えております」
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 補てん率の数字は、厚生労働省の PDF(資料01)を2026年10月25日に開き直して、A÷B を割り算しました。表のすべての数が資料の字と合いました
- 2026年10月25日の時点で、会議録の衆議院の予算委員会が10月9日の1件だけだったことは、資料04 の条件で確かめました
読むときの注意
- 首相の答えは、番組の台本では途中で切らずに全部を入れた区間で、このページもそのまま写しました
