簗農水相の予算カット発言 那須烏山市への道路の交付金は、市の事業で26.2%減、県の事業も足すと20.5%増
◷ 速報・書き起こし(会議録は後日)
テーマ:国会・予算|出来事:2026年10月6日(国交省の精査結果)〜10月14日|最終更新:2026年10月31日

国会の発言は、中継の音声の書き起こし(3本を突き合わせたもの)です。10月7日の衆院本会議と10月13日の衆院予算委員会の会議録が国会会議録検索システムに載ったら、字を会議録に差し替えます(報道による所は、そのあとも報道として示します)。国交省の数字は、国交省の資料と照らし済みです。
要点
- 那須烏山市の分は、数える事業の範囲で64%減・26.2%減・20.5%増に分かれます。数えたのは、国の社会資本整備総合交付金のうち、国交省が事業ごとに想定した国費(想定国費)です。市の道路予算の全体ではありません。市が行う事業だけなら26.2%減。市のエリアで県が行う事業も足すと20.5%増です。64%減は、国交省が簗氏に説明したときの数でした。令和6・7年度の事業に絞って数えたもので、令和8年度の箇所表に新しく載った3事業は入っていません。(資料01)
- 簗氏は「大幅にカットした」という発言を撤回しました。10月13日の衆院予算委員会では「減額をですね 求めたといった事実は一切ございません」と答えています。発言は2026年5月24日、栃木県大田原市の会合でのものと報じられました。(資料03・05・06)
- 首相の答弁は、日ごとに受けた問いが違います。10月7日は、減額の理由を問われての答弁でした。「政治的な支持・不支持を持ち込まないのは当然」。10月13日は、大臣の交代を求められての答弁です。「あれが事実であるとしたら 本当に不適切」と述べ、「まずは自らの口で」説明責任を果たすよう求めました。10月14日夜、首相は簗氏の辞表を受理しました(報道)。(資料02・03・10)
根拠
数字の検算(国交省の精査結果)
国の社会資本整備総合交付金のうち、2つの市町のエリアで行う事業の想定国費です。国交省が、公表している箇所表をもとに集計しました。単位は百万円(国費)。
| 数える範囲 | 令和7年度当初 | 令和8年度当初 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 那須烏山市のエリア 合計(市の事業+県の事業) | 325 | 392 | +20.5% |
| うち 県の事業 | 183 | 287 | +56.6% |
| うち 市の事業(令和8年度に新しく載った3事業を含む) | 142 | 105 | −26.2% |
| 那珂川町のエリア 合計(町の事業+県の事業) | 262 | 319 | +22.0% |
| うち 県の事業 | 213 | 297 | +39.6% |
| うち 町の事業 | 49 | 23 | −54.1% |
出典:資料01 の別添の表。額と率は国交省の公表値のままです。表の額は百万円の単位です。表の額だけで計算すると、率や合計が合わない所があります。105÷142 は約26.1%減で、表は26.2%減。297+23 は320で、表は319です。
言葉の説明
- 想定国費:国は、自治体がつくる整備計画ごとに配分額を決めます。計画の中の事業ごとの額は、自治体が決めます。国が配分を決めるときに想定した事業ごとの国費を、国交省は「想定国費」と書いています(資料01)。
- 64%減の数え方:2月中旬に簗氏から問い合わせがあり、国交省は令和6・7年度の事業の実績を整理しました。4月に令和8年度の配分が決まった後、その同じ事業だけの令和8年度の額を整理して、簗氏に説明した数が64%減です。国交省の資料は、これとは別に「令和8年度新規掲載箇所(3事業)」があり、含めると26.2%減になると書いています。那珂川町は全部の事業が入っていたので、数は同じ54.1%減です(資料01)。
配分の決まり方(資料01)
1月〜2月ごろ、都道府県が市町村の分も含めて国に要望します。本省で配分の作業をして、国の予算が成立した後の4月ごろに内定の通知が出る流れです。配分は要望や事業の進み具合、重点配分の対象かどうかなどを「総合的に勘案」して決めるとしています。
資料
資料の一覧(10件)
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 国土交通省「道路予算に係る週刊誌報道を受けた精査結果について」(PDF) https://www.mlit.go.jp/road/content/002025983.pdf 載っている国交省 道路局のページ https://www.mlit.go.jp/road/ | 公式資料 | 2026-10-10・2026-10-25(取り直して表の数と本文を照らした。道路局のページに「(2026年10月6日)」と日付つきで載っていることも確かめた) |
| 02 | 衆議院インターネット審議中継 2026年10月7日 本会議(岡本三成議員の代表質問と首相の答弁) https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56447&media_type= | 中継の映像 | 2026-10-10(取得)。字は書き起こし |
| 03 | 衆議院インターネット審議中継 2026年10月13日 予算委員会(田村憲久議員・中野洋昌議員の質疑) https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56450&media_type= | 中継の映像 | 2026-10-13(取得)・10-14(書き起こし3本で照合) |
| 04 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 13時5分に、会議の一覧の API で開催日を1日ずつ指定して検索。10月7日は衆院 議院運営委員会の1件、10月8日は衆参の議院運営委員会など3件、10月13日は0件 |
| 05 | 共同通信 2026年10月2日「農相、選挙応援せず『予算削減』 栃木3区2市町、5月地元会合で」(秋田魁新報電子版の配信) https://www.sakigake.jp/news/article/20261002CO0095/ | 報道 | 2026-10-25(本文を開いて照らした) |
| 06 | プレジデントオンライン 2026年10月9日(10月5日の撤回と謝罪、国交省への働きかけの否定を記す) https://president.jp/articles/-/120186 | 報道・論評 | 2026-10-25 |
| 07 | FNN プライムオンライン「簗農水大臣“予算カット発言” 野党が追及 高市総理『働いて仕事で返せ』」2026年10月9日 午前1時4分 掲載(参議院の代表質問での首相の発言) https://www.fnn.jp/articles/-/1129577 dメニューニュースの配信 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/fnn/politics/fnn-1129577 | 報道 | 2026-10-25(FNN の本体の記事で掲載の日時と本文を照らした) |
| 08 | 共同通信 2026年10月11日(熊本日日新聞の配信。予算委員会の日程と、参院の野党の動き) https://kumanichi.com/articles/2045568 | 報道 | 2026-10-13・2026-10-25(本文を開いて照らした) |
| 09 | NHK 2026年10月13日(野党が問責決議案の提出も含めて対応を協議) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261013de58352 | 報道 | 2026-10-13(本文を読んだ)・2026-10-25(見出しと冒頭の字) |
| 10 | 時事通信 2026年10月14日(首相が簗氏の辞表を受け取り、受理した) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026101400736&g=pol | 報道 | 2026-10-25(本文を開いて確かめた) |
国会のやりとり
◷ 速報・書き起こし(会議録は後日)。字は、中継の音声を3本の書き起こしで突き合わせて作りました。[中略]は字を省いた所です。時刻は、衆議院インターネット審議中継の録画の先頭からの「時:分:秒」で、引いた字を含む区間です。番組が取った区間のファイルの秒に、区間の始まりの時刻を足して出しました。会派の名前は中継の映像の字幕に合わせました。
岡本三成 衆議院議員(質問)── 2026年10月7日 衆院 本会議・中継 0:44:11〜0:45:23(資料02)
自らを支持しなかった首長の自治体の道路予算を 大幅にカットしたとの発言を撤回し 担当省庁に予算削減を働きかけた事実はないと 説明を変えました[中略]予算は政治家のお金ではありません 国民からお預かりした税金です[中略]総理、両自治体の道路関連予算が 減額された具体的な理由を明らかにしてください
高市早苗 内閣総理大臣(答弁)── 同じ日・中継 1:08:05〜1:08:53(資料02)
国から地方公共団体に対する道路予算の配分は 限られた予算の中、地方公共団体からの要望や事業の進捗状況 重点配分対象の有無などを 総合的に勘案して行っており[中略]予算の配分に当たって政治的な支持・不支持を 持ち込まないのは当然のことであります
田村憲久 衆議院議員(質問)── 2026年10月13日 衆院 予算委・中継 0:31:56〜0:32:44(資料03)
会派:自由民主党・無所属の会
本当にそんなことをやられたのか いやそれとも本会議でも 答弁されているようにですね 一応確認はしたけれども そんな予算は 削減しなかったんだ ということなのか ならば何でそんなことをおっしゃられたのか
簗和生 農林水産大臣(答弁)── 同じ日・中継 0:32:55〜0:33:57(資料03)
道路予算について 地元から 問い合わせがございまして それについて 国土交通省に 問い合わせをいたしました その説明の結果をですね 地元の党の支部の総会の懇親会の場でですね 報告をしたというのが事実関係でございます 問い合わせに当たりまして その予算の減額をですね 求めたといった事実は一切ございません[中略]心からお詫びを申し上げます
中野洋昌 衆議院議員(質問)── 同じ日・中継 5:56:11〜5:57:30(資料03)
会派:中道
大臣 より適切な適性を持った方に 代わっていただくべきではないかと思いますが いかがですか
高市早苗 内閣総理大臣(答弁)── 同じ日・中継 5:57:35〜5:59:06(資料03)
簗大臣の地元での発言は もうあれが事実であるとしたら 本当に不適切なもので 本当にダサいと思います じゃあ その人が 行政の運営をしていっていいのかどうか ということも含めて これは私は しっかりと考えさせていただきますけれども 現時点において[中略]まずは自らの口で しっかりと説明責任を 果たしてもらいたい これがまずやってもらいたいことです
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年2月中旬ごろ | 簗議員から国交省の国会担当などに、2市町の令和8年度の配分額の問い合わせ。国交省はその場では令和8年度の配分額を示さず、令和6・7年度の実績を整理 | 資料01 |
| 2026年4月7日 | 令和8年度予算が成立。同じ日に各自治体へ内定の通知 | 資料01 |
| その後 | 国交省が簗議員に、令和8年度の配分額を説明 | 資料01 |
| 2026年5月24日 | 栃木県大田原市の自民党支部の会合で、簗氏が「那須烏山市と那珂川町の本年度の道路予算は大幅にカットした」と発言(出席した関係者が共同通信に明かした) | 資料05(報道) |
| 2026年10月5日 | 簗氏が発言を撤回し、おわび | 資料06(報道) |
| 2026年10月6日 | 国交省が精査結果を公表(PDF の本文に日付は無い。日付は国交省 道路局のページの掲示による) | 資料01 |
| 2026年10月7日 | 衆院本会議で岡本議員が減額の理由をただし、首相が配分の考え方を答弁 | 資料02 |
| 2026年10月8日(報道の掲載は10月9日) | 参院の代表質問で首相が「私自身、その発言は不適切だと考えたので厳しく注意した」「とにかく働いて仕事で返せと言っている」と述べた | 資料07(報道) |
| 2026年10月11日 | 参院の野党6党が、農水相の問責決議案の提出を視野に入れる | 資料08(報道) |
| 2026年10月13日 | 衆院予算委で簗氏が陳謝。首相は交代を求められて答弁 | 資料03 |
| 2026年10月13日 | 野党が、問責決議案の提出も含めて対応を協議 | 資料09(報道) |
| 2026年10月14日夜 | 首相が簗氏の辞表を受理 | 資料10(報道) |
| この後 | 10月7日・13日の会議録が載ったら、上の「国会のやりとり」の字を会議録に差し替えます | ― |
訂正の記録
なし
関連する解説動画
本編(38分56秒)
簗農水相の予算カット発言 首相「事実であるとしたら…本当にダサい」 64%減?2割増?【2026年10月】
https://youtu.be/2_uTTZpEJbY
本編の章:
- 0:42 第1章 国会で問われた(10月7日)
- 5:52 第3章 64%減と2割増
- 8:09 第4章 「大幅にカット」と撤回
- 32:53 第8章 10月13日 予算委員会
ショート:
- 簗大臣 辞任の前日 高市総理「事実であるとしたら…本当にダサい」 https://youtu.be/nuXEAG3EsoM
- 簗大臣 辞任の前日 国会で陳謝「求めたといった事実は一切ございません」 https://youtu.be/HBlKyFAi5bE
- 簗農水相 予算カット発言 64%減?2割増? 数える範囲で変わる道路予算 https://youtu.be/Vi9ERvbQ7M8
- 予算カット発言 高市総理「支持・不支持を持ち込まないのは当然」10月7日の答弁 https://youtu.be/0PCC3JTg4WI
続きの回:簗農水相 辞任 なぜ「今日」だったのか(ロング008)https://youtu.be/41V7XUDgnV4
本編の第2章〜第7章は、選挙ドットコムちゃんねるの対談(2026年10月9日撮影)です。出演は今野忍さんと山本期日前さん。対談の中の見方は出演者のもので、このページの根拠とは別です。
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 表の額と増減の率は、国交省の PDF(資料01)を2026年10月25日に取り直し、別添の表と一字ずつ照らしました。64%減と26.2%減の違いの説明も、同じ PDF の本文のとおりです
- 精査結果の公表日 10月6日は、国交省 道路局のページの掲示で確かめました。「(2026年10月6日)」とあります(2026年10月25日)
- 配分の決まり方と、2月の問い合わせから簗氏への説明までの流れは、資料01 の本文のとおりです
- 国会の6か所の字は、動画の字幕(3本の書き起こしを突き合わせたもの)と一字ずつ照らしました。簗氏の「一切ございません」の「一切」は書き起こしが2本で割れたので、耳で聞き直して決めた字です
- 会派の名前(田村議員・中野議員)は、中継の映像の字幕で確かめました
- 10月7日の本会議・10月8日の参院本会議・10月13日の予算委員会の会議録の検索の結果(2026年10月25日13時5分)は、資料04 の行の条件のとおりです
- 報道の5本(資料05〜08・10)は、2026年10月25日に本文を開いて照らしました。KAB 10/4・KSB 10/5 の元の記事は削除されていたので、共同通信とプレジデントオンラインに差し替えています
読むときの注意
- 国会の字は、3本の書き起こしを突き合わせた字です。原音を通しで聞き直して照らすのは要確認です。3本が同じ聞き違いをしていた所は、突き合わせてもそのまま残ります([中略]の前後の字も同じ)。会議録が載ったら差し替えます
- 10月8日の首相の発言は FNN の報道によります(資料07)。記事に「参議院でも各党の代表質問が始まり」とあり、掲載が10月9日午前1時4分なので、10月8日の発言と読みました。参院本会議の会議録が載ったら照らします
- 10月13日の野党の協議(資料09)は、10月13日に読んだ本文によります
- 中継の時刻は、区間のファイルの秒から出した目安です
- 辞表の受理は、時事通信の記事によります(資料10)
