いじめの認知件数 令和6年度は76万9,022件で過去最多 文部科学省は「積極的な認知が進んだ」と説明 重大事態は1,404件で10年前の約3倍
テーマ:国会・教育|出来事:2026年3月5日(衆議院 予算委員会)・3月19日(参議院 予算委員会)|最終更新:2026年10月31日
国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。件数は、文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果で確かめました。引き算・割り算は、このページで計算しました。
要点
- 文部科学省の局長が答えた「約七十七万件と、過去最高」は、調査の数と合います。令和6年度(2024年度)の小・中・高校と特別支援学校のいじめの認知件数は76万9,022件で、前の年度(73万2,568件)より3万6,454件(5.0%)増え、過去最多でした。(資料01・02・04)
- 文部科学省は、認知件数が増えた背景を「積極的な認知が進んだ」と説明しています。局長は国会で、平成26年度の約19万件から「およそ五十八万件増加」したと答え、その理由を「各学校において積極的な認知が進んだことによりまして認知件数が増加をした」としました。調査結果の概要も、いじめの定義や「積極的な認知」への理解が広がったことなどを背景に挙げています。認知件数は、学校がいじめとして認知した件数です。(資料01・04)
- 重大事態は1,404件で、10年前(平成26年度)の449件の約3.1倍です。局長は「この十年間で約三倍増加」と答えました。重大事態1,404件のうち490件(34.9%)は、重大事態として把握する前に、学校がいじめとして認知していませんでした。(資料01・03・04・05)
根拠
件数の照らし合わせ
| 国会で出た数字 | 誰の数字か | 調査の数 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 認知件数「約七十七万件」「過去最高」 | 望月局長 #135(3月5日)・#216(3月19日) | 76万9,022件(令和6年度)。過去最多 | 資料04 |
| 平成26年度「約十九万件」 | 望月局長 #135 | 18万8,072件 | 資料05 |
| 「およそ五十八万件増加」 | 望月局長 #135 | 76万9,022件−18万8,072件=58万950件(このページの計算) | 資料05 |
| 重大事態「千四百四件」 | 望月局長 #135・#216 | 1,404件(令和6年度)。前年度は1,306件 | 資料04・05 |
| 重大事態「この十年間で約三倍」 | 望月局長 #135 | 平成26年度449件→令和6年度1,404件。約3.13倍(このページの計算) | 資料05 |
| 重大事態のうち認知していなかった「四百九十件」「三四・九%」 | 望月局長 #218 | 490件(34.9%)。前年度も490件(37.5%) | 資料04 |
認知件数の推移(小・中・高・特別支援学校の合計)
| 年度 | 認知件数 | 出典 |
|---|---|---|
| 平成24年度(2012年度) | 19万8,109件 | 資料05 |
| 平成26年度(2014年度) | 18万8,072件 | 資料05 |
| 平成28年度(2016年度) | 32万3,143件 | 資料05 |
| 平成30年度(2018年度) | 54万3,933件 | 資料05 |
| 令和2年度(2020年度) | 51万7,163件 | 資料05 |
| 令和4年度(2022年度) | 68万1,948件 | 資料05 |
| 令和5年度(2023年度) | 73万2,568件 | 資料05 |
| 令和6年度(2024年度) | 76万9,022件 | 資料04・05 |
出典:資料05 の参考7「平成18年度から令和6年度までのいじめの認知学校数・認知件数(国公私立)」。令和2年度に一度減り、その後4年続けて増えています(資料04 の概要の字)。
比べ方の注意
- 文部科学省の調査は「認知件数」を数えています。平成17年度までは「発生件数」で、平成18年度から「認知件数」に変わりました。平成25年度からは、いじめ防止対策推進法の施行にともなって、いじめの定義も変わっています(資料05 の表の注)。年度をまたいで比べるときは、この変わり目があります
- 文部科学省は、増えた背景として、いじめの定義や積極的な認知への理解が広がったこと、児童生徒への見取りが細かくなったこと、SNS などのネット上のいじめの積極的な認知が進んだことなどを挙げています(資料04)
- 調査の数は「件数」です。3月5日の質問で岡野議員は「つらく悲しい思いをしている子供が今全国に七十七万人いる」と述べていますが、調査の概要(資料04)が示しているのは件数で、子どもの人数ではありません
- 重大事態の増加について、局長は「重大事態の積極的な認定が進んだ面も考えられる一方で」、早期の対応や組織的な対応が十分でなかった面もあると答えています(資料01 #135)
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 国会会議録 衆議院 予算委員会 2026年3月5日 #134・#135 https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122105261X00620260305/135 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 02 | 国会会議録 参議院 予算委員会 2026年3月19日 #215〜#219 https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122115261X00520260319/216 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 03 | 国会会議録 参議院 予算委員会 2026年3月19日 #218(重大事態のうち認知していなかった件数) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122115261X00520260319/218 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 04 | 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(令和8年1月16日更新・PDF) https://www.mext.go.jp/content/20260305-mxt_jidou02-100002753_3.pdf ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm | 公式資料 | 2026-10-25(いじめの節に「769,022件(前年度732,568件)」「過去最多」「重大事態の発生件数は1,404件(前年度1,306件)」「490件(34.9%)」) |
| 05 | 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和8年1月16日更新・PDF) https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_jidou02-100002753_1_3.pdf | 公式資料 | 2026-10-25(参考7 の認知件数の推移〔PDF 33ページ〕と、参考9 の重大事態の発生件数の推移〔PDF 56ページ〕を読んだ) |
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年3月5日 衆議院 予算委員会(資料01)
岡野純子(国民民主党・無所属クラブ)#134
[中略]文部科学省の調査で、いじめの認知件数は約七十七万件と、過去最多を更新し続けております。今、こうやってここで話をしているこの間にも、いじめで学校に行けなかったり、中には精神を患ったり、最悪のケースでは自死に至るというような、そういうつらく悲しい思いをしている子供が今全国に七十七万人いるという。[中略]
認知件数の増加につきましては、恐らく学校現場が、かつてとは違って積極的に把握をしていこうというふうな体制を取られている、その努力の結果と取ることもできるので、数が全てではないのかもしれませんが、実際、政府として、現在のいじめの実態というものをどのように分析をされていて、課題認識をどう持っていらっしゃるのか、まず現状認識から伺いたいと思います。
望月禎 文部科学省初等中等教育局長 #135
委員御指摘のとおり、令和六年度の全国小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校のいじめの認知件数は約七十七万件と、過去最高になっているところでございます。
[中略]一点目は、まず、いじめの認知件数につきましては、平成二十六年度の約十九万件から令和六年度の今申し上げました七十七万件まで、およそ五十八万件増加しております。このうち、特に認知件数の増加が大きいのは小学校段階となってございます。
この増加の背景としまして、文部科学省では、いじめを積極的に認知をし解消していくことを各学校に求めてきております。いじめは決して許されるものではございません。各学校において積極的な認知が進んだことによりまして認知件数が増加をしたものと捉えてございます。
二点目でございますけれども、いじめのうち、生命、心身、財産への重大な被害、あるいは不登校に至ることを余儀なくされている、いじめの重大事態の発生件数につきまして、令和六年度には千四百四件となってございます。この十年間で約三倍増加をしてございまして、この点、大変憂慮すべき状況にあると考えてございます。
この重大事態の増加の背景でございますけれども、重大事態の積極的な認定が進んだ面も考えられる一方で、学校におけるいじめの早期発見、早期対応あるいは組織的な対応というものが十分に行われていなかった、あるいは初期段階のいじめの重大化につながっている面もあるのではないかと考えているところでございます。[中略]
2026年3月19日 参議院 予算委員会(資料02・03)
牛田茉友(国民民主党・新緑風会)#215
[中略]では、最新のいじめの認知件数と重大事態の発生件数について教えてください。
望月禎 文部科学省初等中等教育局長 #216
お答えいたします。
全国の小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における令和六年度のいじめの認知件数は約七十七万件、いじめの重大事態の発生件数は千四百四件となってございます。
牛田茉友(国民民主党・新緑風会)#217
この七十七万件というこの数字は、現場の努力によって認知が進んだ側面もあると受け止めております。しかし同時に、いまだに認知されずに苦しんでいるお子さんがいらっしゃることを忘れてはいけないと思います。
では、重大事態になるまで把握されていなかった割合はどれぐらいあるでしょうか。
望月禎 文部科学省初等中等教育局長 #218
お答えいたします。
いじめの重大事態千四百四件のうち、いじめとして認知をしていなかったものは四百九十件、割合としては三四・九%でございます。
会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年1月16日 | 文部科学省のページで、令和6年度の調査結果の PDF が「令和8年1月16日更新」とされる | 資料04・05 |
| 2026年3月5日 | 衆議院予算委員会で、文部科学省の局長が認知件数「約七十七万件」、重大事態「千四百四件」「十年間で約三倍」と答弁 | 資料01 |
| 2026年3月19日 | 参議院予算委員会で、同じ局長が重大事態のうち認知していなかった物「四百九十件」「三四・九%」と答弁 | 資料02・03 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 国会の字は、すべて国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました(2026年10月25日)。会派の名前も会議録の欄のとおりです
- 令和6年度の認知件数・重大事態の件数・認知していなかった件数と割合は、文部科学省の概要の PDF(資料04)で確かめました
- 平成26年度の認知件数と重大事態の件数、年度ごとの推移は、調査結果の PDF(資料05)の参考7・参考9 で確かめました
- 差と倍は、このページで計算しました
