小泉防衛相の「正直、理解に苦しみます」は、長射程ミサイルの配備をめぐる問いへの答え 田村氏の「3.5%で21兆円」は、2%=11兆円の比で数えると約19兆円

テーマ:防衛・予算|出来事:2025年11月11日(衆院予算委)|最終更新:2026年10月31日

国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。掛け算と割り算は、このページでしました。

要点

  1. 小泉防衛大臣の「正直、理解に苦しみます」は、長射程ミサイルの配備をめぐる田村氏の問いへの答えです。田村氏は直前の発言で、熊本県の健軍駐屯地などへの配備を挙げ、「軍事対軍事、ミサイル対ミサイルの悪循環」と述べて「配備計画、撤回を求めたい」としました。大臣は、説明は続けると答えたうえで、「まるで日本が自制が利かず軍拡を進めているかのような前提に立って」の話だとして「理解に苦しみます」と述べ、安全保障環境が厳しい中での「抑止力と対処力を高めるための不断の取組」だと説明しました。(資料01 #151・#167・#168)
  2. 防衛費の GDP 比2%の話は、この答えの後に出ました。田村氏は #169・#171 で「二%前倒し、補正予算で一・一兆円」の中身を聞き、首相は「プラス一・一兆円、そのとおりでございます」と答えました。「理解に苦しみます」は2%の問いへの答えではありません。(資料01 #169〜#172)
  3. 田村氏は「二%で十一兆円」「三・五%では二十一兆円」と述べました。11兆円は、防衛省が2023年に答弁した「現在のGDPの二%が約十一兆円」と合います。同じ基準で3.5%を数えると、11兆円÷2×3.5=19.25兆円です(このページの計算)。21兆円がどの年の GDP をもとにした数かは、質疑の中に説明がありません。(資料01 #185・資料02)

根拠

数字の検算

数字中身誰の数字か出典
約11兆円「現在のGDPの二%」防衛省 大臣官房審議官の答弁・2023年4月26日資料02 #138
11兆円「二%で十一兆円」田村氏の発言・2025年11月11日資料01 #185
21兆円「三・五%では二十一兆円」田村氏の発言・2025年11月11日資料01 #185
1.1兆円2%の前倒しのための補正予算の額(「プラス一・一兆円、そのとおりでございます」)田村氏の問い #171 と首相の答弁 #172資料01

このページの計算

比べ方の注意

資料

番号資料種類確かめた日
01国会会議録 衆議院 予算委員会 2025年11月11日 #151・#159・#167〜#174・#185・#186
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121905261X00420251111/168
会議録2026-10-25
02国会会議録 衆議院 財務金融委員会 2023年4月26日 #138(防衛省 大臣官房審議官)
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121104376X01720230426/138
会議録2026-10-25

国会のやりとり

字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。

2025年11月11日 衆議院 予算委員会(資料01)

田村智子(日本共産党)質問 #151

[中略]射程一千キロと言われるミサイル、一二式地対艦誘導弾能力向上型、今年度、熊本県の陸上自衛隊健軍駐屯地に配備され、二七年度には茨城県の百里基地、神奈川県の横須賀基地、静岡県の富士駐屯地に配備されます。[中略]

田村智子(日本共産党)質問 #167

[中略]こんな軍事対軍事、ミサイル対ミサイルの悪循環、軍事的緊張を高めていって、どうしてその先に平和があるのかということです。むしろ、何かのアクシデントから武力衝突が生じかねない、それが歴史の教訓ではありませんか。
私は、専守防衛さえ投げ出す憲法違反のこの長射程ミサイルの配備計画、撤回を求めたいし、今日の質疑で明らかになったのは、住民説明会もできないんですよ、結局。[中略]

小泉進次郎 防衛大臣 答弁 #168

今、総理から、説明会を開催するかどうかは防衛大臣の所掌で判断しろということです。
私は、大事なことは、説明会か説明かというそういった中でいえば、しっかりと説明をさせていただくことが大事なことだと思っています。[中略]
また、先ほどから、まるで日本が自制が利かず軍拡を進めているかのような前提に立ってお話をずっとされていますが、正直、理解に苦しみます。これは、我々から、今このような対処をしているのは、総理も申し上げているとおり、いかに日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなっているか、こういった中での日本の抑止力と対処力を高めるための不断の取組をすること、このことは、危機をあおるのではなくて、厳しくなっている安全保障環境に対して適切な対応を進めているということですので。
これをどのように判断をされるか、先生の基本的な認識が国民の皆さんがそのとおりだと思うのか、いや、それはちょっと余りにも、まあ私はこれ以上は言いませんけれども、国民の皆さんに御理解いただけるように十分説明を続けたいと思います。

田村智子(日本共産党)質問 #171

[中略]総理、二%前倒し、補正予算で一・一兆円、これは一体どういう分野で幾ら積み増すということなんですか。

高市早苗 内閣総理大臣 答弁 #172

[中略]これらが一定の額に達すると見込まれることから、対GDP比二%水準にしても、結果として達成する。プラス一・一兆円、そのとおりでございますけれども、結果として達成する。[中略]

田村智子(日本共産党)質問 #185

[中略]三文書の前、これは関連経費を含めて約六兆円規模だった軍事費が、二%で十一兆円、これだけでも大変ですよ。それで、三・五%では二十一兆円。[中略]

高市早苗 内閣総理大臣 答弁 #186

アメリカ側から何にもこの数字の規模について私に対して要求がないのに、三・五%と、いきなりそういうことを言われてもどうしようもありません。[中略]

会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。

経過

日付出来事出典
2023年4月26日防衛省が「現在のGDPの二%が約十一兆円」と答弁資料02
2025年11月11日衆院予算委で、田村氏が長射程ミサイルの配備の撤回を求め、小泉大臣が「正直、理解に苦しみます」と答弁。続けて2%の前倒しと3.5%の額の質疑資料01

訂正の記録

なし

関連する解説動画

ショート(1分3秒)
小泉防衛相「正直、理解に苦しみます」共産・田村氏の「軍拡」前提に正面から反論 長射程ミサイル配備【2025年11月 衆院予算委】
https://youtu.be/k50PBY0uRgo

動画の題の言い方は、番組の見せ方によります。題の「軍拡」は、大臣の答弁の字(#168「軍拡を進めているかのような前提」)から取りました。このページでは、答えが何の問いへのものだったかと、同じ質疑の数字を会議録で確かめました。

確かめた所と読むときの注意

確かめた所

読むときの注意

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