所信表明の「3年連続で5%台の賃上げ」「設備投資128兆円」 連合の最終集計は5.10%・5.25%・5.01% 内閣府の統計で2025年度は128.0兆円
テーマ:国会・経済|出来事:2026年10月5日(所信表明演説)|最終更新:2026年10月31日
国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。賃上げ率は連合の最終集計の発表、設備投資は内閣府の四半期別GDP速報(2026年4〜6月期の2次速報)の表の数です。比べと引き算は、このページで計算しました。
要点
- 高市首相は2026年10月5日の所信表明演説で「春季労使交渉では三年連続で五%台の賃上げが実現し、また、二〇二五年度の国内の民間企業設備投資は百二十八兆円と、過去最高水準に達しています」と述べました。演説では、どの統計の数かは言っていません。(資料01)
- 連合の春闘の最終集計(平均賃金方式・定昇相当込み・加重平均)は、2024年5.10%、2025年5.25%、2026年5.01%です。3年続けて5%を超えています。2026年は2025年より0.24ポイント低く、額は16,400円で2025年より44円多い数です。政府は2026年4月14日の国会で、連合の4月3日の第3回集計(5.09%)を挙げて「三年連続で五%台」と答えていました。(資料02・03・04・05)
- 内閣府の統計では、2025年度の民間企業設備(名目)は128兆43億円(128,004.3十億円)です。この表は1994年度から並んでおり、その中でいちばん大きい数です。2024年度は121兆3,996億円で、差は約6.6兆円(このページの計算)。物価の動きを除いた実質(2020暦年連鎖価格)でも、2025年度の108.8兆円がこの表の中で最大です。(資料06・07)
根拠
賃上げ率(連合の最終集計)
| 年 | 賃上げ率(定昇相当込み) | 額 | 集計した組合 | うち「賃上げ分」が分かる組合の賃上げ分 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 5.10% | 15,281円 | 5,284組合 | 3.56% | 資料02 |
| 2025年 | 5.25% | 16,356円 | 5,162組合 | 3.70% | 資料03 |
| 2026年 | 5.01% | 16,400円 | 5,368組合 | 3.50% | 資料04 |
出典:どれも連合の「第7回(最終)回答集計結果について」(各年7月1日10時時点の集計、7月3日の発表)。2026年の発表は「3年連続で5%台を達成した」と書いています。
比べ方の注意
- 連合の集計は、連合に加わる労働組合のうち、平均賃金方式で回答を引き出した組合の加重平均です。働く人全体の賃金の伸びを表す統計ではありません
- 5%台の数には定期昇給の分が入っています。賃上げ分が明確に分かる組合の「賃上げ分」(いわゆるベア)は、3.56%・3.70%・3.50%です
- 2026年4月の国会答弁の5.09%は、交渉の途中の第3回集計です。最終集計(7月)は5.01%でした。どちらも5%台です
民間企業設備(内閣府 四半期別GDP速報・年度)
| 年度 | 名目(兆円) | 実質・2020暦年連鎖価格(兆円) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2022年度 | 110.2 | 103.7 | 資料06・07 |
| 2023年度 | 115.4 | 104.6 | 資料06・07 |
| 2024年度 | 121.4 | 106.5 | 資料06・07 |
| 2025年度 | 128.0 | 108.8 | 資料06・07 |
出典:表の単位は10億円です。このページで兆円に直し、小数第1位に丸めました(2025年度の名目は128,004.3十億円)。「表の中で最大」は、1994年度から2025年度までの行を並べて確かめました(このページの比べ)。
比べ方の注意
- 演説の「百二十八兆円」は、この表の名目の数(128.0兆円)と合います
- 「過去最高」は、この表が始まる1994年度からの比べです
- 速報の数は、今後の改定で変わることがあります
資料
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年10月5日 衆議院 本会議(所信表明演説)(資料01)
高市早苗 内閣総理大臣 #23
[中略]しかし、今、これまでの経済政策や企業の賃上げの努力が実を結びつつある中、その流れが確実に変わり始めています。春季労使交渉では三年連続で五%台の賃上げが実現し、また、二〇二五年度の国内の民間企業設備投資は百二十八兆円と、過去最高水準に達しています。[中略]
2026年4月14日 参議院 内閣委員会(資料05)
城内実 国務大臣 #92
[中略]今年の春季労使交渉では、連合の四月三日第三回回答集計におきまして、昨年、一昨年度と同水準である五・〇九%の賃上げとなったと承知しております。三年連続で五%台という高い水準の賃上げ率となっておりまして、賃上げの力強い動きが見られております。[中略]
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2024年7月3日 | 連合が2024年の最終集計(5.10%)を発表 | 資料02 |
| 2025年7月3日 | 連合が2025年の最終集計(5.25%)を発表 | 資料03 |
| 2026年4月14日 | 城内国務大臣が、連合の第3回集計(5.09%)を挙げて「三年連続で五%台」と答弁 | 資料05 |
| 2026年7月3日 | 連合が2026年の最終集計(5.01%)を発表 | 資料04 |
| 2026年10月5日 | 高市首相が所信表明演説で「三年連続で五%台」「百二十八兆円」と述べた | 資料01 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 演説と答弁の字は、国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました(2026年10月25日)
- 3年分の最終集計の率・額・組合の数は、連合の発表の PDF(資料02〜04)を開いて確かめました
- 2025年度の民間企業設備の名目128,004.3十億円と、1994年度からの各年度の数は、内閣府の CSV(資料06・07)を開いて確かめました
読むときの注意
- 演説の「三年連続で五%台」は、連合の最終集計で数えても、4月の第3回集計で数えても、3年とも5%台です
- 同じ演説の「実質賃金上昇率は、八か月連続してプラス」は、別の記事「所信表明の実質賃金8か月連続_2つの数え方」で扱っています
