特定タンカー法の改正案 再保険が止められたとき政府が代わりに払う仕組みを、原油のタンカーからLNGと石油製品の船にも広げる
テーマ:国会・エネルギー|出来事:2012年(特定タンカー法の制定)〜2026年10月16日(改正案の提出)〜2026年10月22日(衆議院の国土交通委員会に付託)〜審議中|最終更新:2026年10月31日
法律案の中身は、国土交通省のページに載っている法律案の本文・要綱・概要の字です。2026年10月25日の時点で、会議録検索システムに載った第222回国会の会議のうち、この法律案を審議した会議は0件です。
要点
- 内閣は2026年10月16日、特定タンカー法を直す法律案を国会に出しました。船が事故で第三者に損害を与えたときに備える「船主責任保険」は、国土交通省の資料によると、日本船主責任相互保険組合が欧米の保険組合などから再保険を受けています。2012年の特定タンカー法は、EU がイラン産原油を運ぶタンカーへの再保険の提供を止めたことに対応するため、政府が再保険に当たる分を交付できるようにした法律です。衆議院では10月22日に国土交通委員会に付託され、10月25日の時点で審議中です。(資料01・02・05)
- 対象の荷物を、原油から「液化天然ガス」と「石油製品」に広げます。石油製品は、国民の生活や経済に欠かせず、海上の輸入に頼るものとして政令で決めるものです。対象の国は、外国政府などが再保険の引受けを禁止する措置を受けた国などを、荷物ごとに政令で「指定国」として決めます。題名は「特定船舶に係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法」に変わります。(資料02・03)
- 2026年度に政府が結べる交付金の契約には、上限があります。附則第2条は、担保上限金額の合計を「二十七兆二千九百七十三億七千五百六十九万六千円」(27兆2,973億7,569万6,000円)を超えない範囲としています。船の持ち主が納める納付金の額は、タンカー・LNG を運ぶ船・石油製品を運ぶ船の別に、保険料の国際的な水準を考えて政令で決めます。(資料03・04)
- 施行は、公布から3か月を超えない範囲で政令で決める日です。施行から5年をめどに見直しを検討する、とも書いています。(資料03・04)
根拠
いまと法律案のあと
| 項目 | いま(特定タンカー法) | 法律案のあと | 出典 |
|---|---|---|---|
| 対象の荷物 | 原油(本文の書き換え前の字では「イラン産原油」を輸送するタンカー) | 原油・液化天然ガス・特定石油製品(政令で決める) | 資料03・04 |
| 対象の国 | イラン | 再保険の引受けが禁止される国・地域を、荷物ごとに政令で「指定国」に | 資料03・04 |
| 対象の船 | 特定タンカー | 特定タンカー・特定液化天然ガス輸送船・特定石油製品輸送船(まとめて「特定船舶」) | 資料03 |
| 題名 | 特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法 | 特定船舶に係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法 | 資料03 |
| 2026年度の契約の上限 | ― | 担保上限金額の合計 27兆2,973億7,569万6,000円 | 資料04 附則第2条 |
| 施行 | ― | 公布から3か月を超えない範囲で政令で定める日 | 資料03・04 |
仕組みの順番(国土交通省の概要の図)
- 船の持ち主が保険組合と損害保険の契約を結ぶ → 再保険の担保を求める契約を結ぶ → 政府(国土交通大臣)と交付金の契約を結ぶ → 損害が起きて保険金を払ったら、政府が交付金を出す。船の持ち主は政府に納付金を納めます(資料02)
比べ方の注意
- 概要の図では、日本船主責任相互保険組合が1,000万ドルまでを、1,000万ドルから98億ドルまでの損害賠償を国際的な保険組合のグループや欧米の再々保険市場などが保障する、と書いています。27兆円余りは、政府が結べる交付金の契約の「担保上限金額」の合計の上限で、政府が払うと決まった額ではありません(資料02・04)
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 衆議院「閣法 第222回国会 17 特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」議案審議経過情報 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE364E.htm | 公式資料 | 2026-10-25(衆議院の受理 2026年10月16日・付託 10月22日 国土交通委員会。審査終了・審議終了の欄は空) |
| 02 | 国土交通省 同法律案の概要(PDF 1ページ) https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002026798.pdf | 公式資料 | 2026-10-25 |
| 03 | 国土交通省 同法律案の要綱(PDF 2ページ) https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002026799.pdf | 公式資料 | 2026-10-25(1〜7をすべて読んだ) |
| 04 | 国土交通省 同法律案・理由(PDF) https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002026800.pdf | 公式資料 | 2026-10-25(第2条の書き換えの一部・附則・理由を読んだ) |
| 05 | 国土交通省 報道発表「「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を閣議決定」令和8年10月16日 https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji06_hh_000405.html | 公式資料 | 2026-10-25 |
| 06 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 19時台に、会議の一覧の API で第222回国会を検索。28件。発言の API で第222回国会・語「タンカー」「再保険」も0件 |
国会のやりとり
2026年10月25日の時点で、この法律案を審議した会議の会議録はありません(資料06)。審議が会議録に載ったら、ここに足します。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2012年(平成24年) | 特定タンカー法の制定(EU のイラン産原油を運ぶタンカーへの再保険の提供停止に対応) | 資料02・05 |
| 2026年10月16日 | 改正案の閣議決定と国会への提出(衆議院が受理) | 資料01・05 |
| 2026年10月22日 | 衆議院の国土交通委員会に付託 | 資料01 |
| 2026年10月25日現在 | 衆議院の審査終了・審議終了の欄は空 | 資料01 |
| この後 | 委員会・本会議の採決と会派の賛否は、衆議院の記録に載ったらここに足します | 資料01 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 対象の荷物・指定国・特定船舶・題名・納付金・施行・検討の規定は、国土交通省の要綱(資料03)をすべて読んで確かめました(2026年10月25日)
- 2026年度の契約の上限の額は、法律案の附則第2条(資料04)の字です
- 提出の日・付託の日と、審議中であることは、衆議院の議案のページ(資料01)で確かめました
読むときの注意
- 法律案の本文は、国土交通省の法律案で読みました
- どの国が「指定国」になるか、どの石油製品が対象になるかは、政令で決まります
- 閣法12(原油等輸送保険法案)は経済産業省の発表で、船ではなく貨物と船舶の「海上財物保険」の話です
