食料品の消費税1% 法律案が書いた期限は2029年3月31日 7月の党首討論で首相は「二年間限定という見通し」「ここで断言はできません」
テーマ:税・物価|出来事:2026年7月15日(党首討論)〜10月9日(法律案の提出)〜審議中|最終更新:2026年10月31日
国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。税率と期限は、内閣官房のページに載っている法律案の本文と概要、9月15日の閣議決定の大綱で確かめました。
要点
- 法律案は、飲食料品の消費税率を、2027年4月1日から2029年3月31日までの間だけ下げると書いています。国の消費税を0.78%にし、地方消費税と合わせて1%です。法律案の第1条は「臨時的に二年間に限り引き下げる」としています。法律案は2026年10月9日に衆議院が受け取り、10月20日に財務金融委員会に付託されました。10月25日の時点で審議中です。(資料01・02・03)
- 期限の後について、法律案は特例を延ばす規定を置いていません。1%の特例は、期間の中に行われる飲食料品の譲渡だけに、消費税法 第29条第2号(軽減税率)に「かかわらず」当てる書き方です。この書き方からは、期間が終われば、消費税法のいまの軽減税率(国6.24%・地方消費税と合わせて8%)が当たると読めます(このページの読み)。この先、別の法律で変えることはできるので、2029年4月の税率がどうなるかを、このページは言い切りません。(資料02・05・06)
- 7月15日の党首討論で、玉木代表は「二〇二九年四月から何があっても一%を八%に戻す、この方向は変わりませんか」と聞きました。首相は「二年間限定という見通しについて、私自身は変わりはございません」と答え、続けて「国民会議での議論中でございますので、ここで断言はできません」と述べました。法律案の提出より前、閣議決定の大綱より前の答弁です。(資料07)
根拠
税率の検算(法律案と消費税法・地方税法)
| 国の消費税 | 地方消費税(国の税率×22/78) | 合わせて | |
|---|---|---|---|
| いまの飲食料品(軽減税率) | 6.24% | 1.76% | 8% |
| 法律案の特例(2027年4月1日〜2029年3月31日) | 0.78% | 0.22% | 1% |
| 飲食料品以外(標準税率) | 7.8% | 2.2% | 10% |
出典:国の税率は、消費税法 第29条(資料05)と法律案 第2条(資料02「百分の〇・七八とする」)。地方消費税の税率「七十八分の二十二」は地方税法 第72条の83(資料06)。地方の欄と合計の欄は、このページの掛け算と足し算です(6.24×22/78=1.76、0.78×22/78=0.22)。法律案の概要(資料03)も「0.78%(地方消費税と合わせて1%)」と書いています。
法律案で、期限に関わる所(資料02・03)
- 第1条(目的):「飲食料品に係る消費税率について、現下の物価の上昇に鑑み臨時的に二年間に限り引き下げる」
- 第2条:特例の税率を当てるのは、「令和九年四月一日から令和十一年三月三十一日までの間に行われるもの」
- 法律案の本文(PDF 83ページ)に「延長」の字はありません。概要の「検討等」に並ぶ項目は、支援金・社会保険・所得税の見直しなどで、飲食料品の税率についての項目は入っていません
1%と組み合わせる支援金(資料03・04)
- 法律案は、税率の引下げと一緒に「就業者負担軽減支援金」を作ります。大綱は、2027年4月からの2年間を、2029年度(令和11年度)の本格導入までの「つなぎ」と書いています
- 2027・2028年度の支援金は、大綱で「飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲で実施する」とされています
年4万円超(7月15日の首相の答弁)
- 首相は、飲食料品の消費税の1人あたりの年の負担を「八%丸々でしたら四万円超」と答えました(資料07 #3)。8%分をすべて無くした場合の数で、1%に下げた場合の減り方は、別に計算する数です
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 衆議院「閣法 第222回国会 1 租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」議案審議経過情報 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE342E.htm | 公式資料 | 2026-10-25(衆議院の受理 2026年10月9日・付託 10月20日 財務金融委員会・参議院の予備審査の受理 10月9日。審査終了・審議終了の欄は空。議案の一覧では「衆議院で審議中」) |
| 02 | 内閣官房「第222回国会(臨時会)提出法案」の同法律案「法律案・理由」(PDF 83ページ) https://www.cas.go.jp/jp/houan/261009/jinkousenryaku_shiryo3.pdf 一覧のページ https://www.cas.go.jp/jp/houan/222.html | 公式資料 | 2026-10-25(第1条・第2条・附則第1条・理由を読み、「延長」で全文を検索して0件) |
| 03 | 内閣官房・財務省「法律案について」(概要・令和8年10月・PDF 1枚) https://www.cas.go.jp/jp/houan/261009/jinkousenryaku_shiryo1.pdf | 公式資料 | 2026-10-25 |
| 04 | 「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」2026年9月15日 閣議決定(PDF 16ページ) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260915/01_siryou1.pdf 財務省のページからのリンク https://www.mof.go.jp/tax_policy/20260915shouhizei.html | 公式資料 | 2026-10-25(前文と第二の一の1を読んだ) |
| 05 | 消費税法 第29条(e-Gov 法令検索。2026年10月1日施行の版) https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 | 法令 | 2026-10-25(法令 API で第29条を取得) |
| 06 | 地方税法 第72条の83(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 | 法令 | 2026-10-25(法令 API で取得) |
| 07 | 国会会議録 国家基本政策委員会合同審査会 2026年7月15日 #2〜#9(党首討論) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122124293X00220260715/7 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 08 | 財務省「片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要」2026年9月15日 https://www.mof.go.jp/public_relations/conference/my20260915.html | 公式資料 | 2026-10-25 |
| 09 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 17時35分に、会議の一覧の API で期間 2026-10-01〜2026-10-25 を指定して検索。28件。衆議院の本会議は10月5日の1件だけ |
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年7月15日 国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)(資料07)
玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)#2
国民民主党代表の玉木雄一郎です。[中略]そもそも飲食料品の消費税をゼロにしたときに、どれだけ負担が軽くなるのか。逆に言うと、今どれぐらいの負担を、国民の皆さんは飲食料品の消費税を払うことによって負担しているのか、年間の一人当たりの負担額についてまず教えてください。
高市早苗 内閣総理大臣 #3
年間でお一人当たりということになりますと、八%丸々でしたら四万円超ということになります。
玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)#6
総理から、消費税、税制の柔軟性、私も賛同するところであります。
じゃ、改めて伺います。二〇二九年四月から何があっても一%を八%に戻す、この方向は変わりませんか。
高市早苗 内閣総理大臣 #7
本丸は給付つき税額控除と申し上げてまいりました。その制度設計ができてしっかりと給付が行われる、その状況が達成できるまでのつなぎと申し上げてまいりましたので、二年間限定という見通しについて、私自身は変わりはございません。ただ、国民会議での議論中でございますので、ここで断言はできません。[中略]
玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)#8
これは結構、今、重要な答弁で、二〇二九年四月、今から二年後、このときに景気がすごく悪くなっていても上げなきゃいけないんですよ、今の案はね。[中略]
高市早苗 内閣総理大臣 #9
[中略]強い経済と、そして債務残高、これはGDP比を引き下げていくということを申し上げておりますが、財政の持続可能性、これを両立する、そのために私は、成長のスイッチを押して押して押しまくると申し上げました。[中略]
会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年7月15日 | 党首討論で、玉木代表が「二〇二九年四月から何があっても一%を八%に戻す」方向かを聞き、首相が「ここで断言はできません」 | 資料07 |
| 2026年9月15日 | 大綱を閣議決定。2027年4月から2年間に限った引下げと、支援金の組み合わせ | 資料04・08 |
| 2026年10月9日 | 法律案を国会に提出(衆議院の受理・参議院の予備審査の受理) | 資料01・02 |
| 2026年10月20日 | 衆議院の財務金融委員会に付託 | 資料01 |
| 2026年10月25日現在 | 衆議院の審査終了・審議終了の欄は空 | 資料01 |
| 2027年4月1日 | 法律案が成立した場合の、特例の税率の始まり(法律案の施行の日) | 資料02 |
| 2029年3月31日 | 法律案が書いた、特例の税率の終わり | 資料02 |
| この後 | 10月7日の本会議の代表質問(岡本三成議員)と首相の答弁は、会議録に載ったらここに足します。委員会の審議も足します | 資料09 |
訂正の記録
なし
関連する解説動画
本編(20分6秒)
【食料品の消費税1%】高市首相「成長のスイッチを押して押して押しまくる」
https://youtu.be/z1gD8l7I71I
本編の章:
- 0:22 第1章 いま決まっていること
- 0:59 第2章 追及:野党党首との攻防
- 6:42 第3章 山場:首相の決意
- 8:03 第4章 慎重論:減税より給付
- 12:11 第5章 現場の不安
- 16:47 第6章 誓い
- 17:47 第7章 現在地
本編は2026年10月9日の公開で、9月15日の大綱の後、法律案の本文が出る前に作りました。
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 税率0.78%(地方消費税と合わせて1%)と期間(2027年4月1日〜2029年3月31日)は、法律案の本文(資料02)と概要(資料03)で読みました(2026年10月25日)。大綱(資料04)の第二の一の1も同じ期間と税率です
- 法律案の本文に「延長」の字が無いことは、PDF から取り出した字を検索して確かめました(0件)
- いまの軽減税率6.24%と地方消費税の「七十八分の二十二」は、e-Gov の法令 API で消費税法 第29条と地方税法 第72条の83を取って確かめました
- 法律案の受理・付託の日と審議中であることは、衆議院の議案のページ(資料01)で確かめました(2026年10月25日)
- 国会の字は、国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました(2026年10月25日)
- 10月7日の本会議の会議録の検索の結果は、資料09 の行の条件のとおりです
読むときの注意
- 法律案の本文に、期間を延ばす規定が無いことを確かめました
- 「四万円超」は、首相の答弁の数です
- 支援金の対象と額は、法律案では政令で決めることになっています
- 会議録の #4 で、玉木代表の発言は「二〇二四年四月、つまり、今から二年後の、給付つき税額控除」と書かれています。直後に「今から二年後」とあり、#6 では「二〇二九年四月」と言っているので、#4 は引用から外しました
