副首都法 道府県の申出にもとづき首相が副首都を指定 特別区を包括する副首都は「都」への名称変更も 参議院は賛成123・反対121で成立

テーマ:国会・地方自治|出来事:2026年6月24日(法律案の提出)〜2026年7月15日(衆議院で修正議決)〜2026年7月24日(参議院で可決・成立)〜2026年7月31日(公布)|最終更新:2026年10月31日

法律の中身は、衆議院のページに載っている法律案の本文(提出時)の字です。国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。会派の賛否は、衆議院の議案のページと、参議院の本会議の投票結果のページの記録のとおりです。

要点

  1. 大規模災害で東京圏の首都中枢機能を保てなくなったとき、その全部又は大部分を代わりに担う道府県を「副首都」として、首相が指定する法律です。指定は道府県の申出にもとづき、申出には道府県議会の議決が要ります。指定の要件(国の行政機構の立地・人口と経済の集積・地方行政体制)は政令で定めます。(資料01)
  2. 附則で大都市地域特別区設置法を改め、特別区を包括する副首都は、道府県を「都」とする名称の変更ができるようにしました。申請には議会の議決が要り、内閣が国会の承認を経て定めます。施行日から2031年3月31日までを「集中推進期間」とします。(資料01)
  3. 自民党と日本維新の会の議員が出した法律案(衆法)です。衆議院は2026年7月15日に修正して可決しました。参議院は7月24日、押しボタンの投票で賛成123・反対121で可決し、成立しました。7月31日に法律第78号として公布されました。(資料02・03・資料07 #40)
  4. 特別区を作るかどうかの住民投票と、地方選挙の期間が重ならないようにする法案は、衆議院(国民民主党の案・7月15日)と参議院(公明党と国民民主党の議員の案・7月24日)の両方で否決されました。参議院の投票は賛成117・反対127でした。(資料04・05・資料06 #6・資料07 #26・#43)

根拠

法律の中身(提出時の法律案の本文)

条中身出典
第2条第4項「副首都」=大規模災害で東京圏の首都中枢機能の維持が困難になった場合に、必要に応じ一定期間、首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能と、多極分散型経済圏の形成の中核となる機能を担う道府県として、第18条で指定された道府県資料01
第18条第1項首相は、東京圏との同時被災の可能性が低い地域(政令の要件)で、①国の行政機構の立地、②人口と経済の集積、③地方行政体制、の政令の要件に当たる地域を含む道府県を、副首都に指定する資料01
第18条第2項指定は道府県の申出にもとづく。申出には、あらかじめ道府県議会の議決が要る資料01
第18条第6項要件に当たらなくなったときは、副首都の意見を聴いて指定を解除できる資料01
第19条国は、首都中枢機能の代替のための国の機関等の拠点の整備、交通施設の整備などの施策を講じる資料01
附則第3条施行日から令和13年(2031年)3月31日までを集中推進期間とし、施策を集中的に推進する資料01
附則(大都市地域特別区設置法の改正)特別区を包括する道府県で副首都であるもの(特別区包括副首都)は、道府県を都とする名称の変更を申請でき、内閣が国会の承認を経て定める。申請には議会の議決が要る資料01
附則第1条公布の日から3月を超えない範囲で政令で定める日から施行資料01

衆議院での修正

否決された同日選を避ける法案(大都市地域特別区設置法の改正案)

比べ方の注意

会派の賛否(記録にある粒度のまま)

衆議院 本会議 2026年7月15日(起立による採決)(資料02・04・資料06 #20〜#22)

議案結果賛成会派(記録の字)反対会派(記録の字)
副首都法案(衆法27)修正議決(起立多数)自由民主党・無所属の会; 日本維新の会; チームみらい中道改革連合・無所属; 国民民主党・無所属クラブ; 参政党; 日本共産党
同日選を避ける法案(衆法25)否決(起立少数)中道改革連合・無所属; 国民民主党・無所属クラブ; 参政党; 日本共産党自由民主党・無所属の会; 日本維新の会; チームみらい

参議院 本会議 2026年7月24日(押しボタンの投票)(資料03・05)

会派(人数)副首都法案 賛成副首都法案 反対同日選を避ける法案(参法18) 賛成同 反対
自由民主党・無所属の会(101)990099
立憲民主・無所属(40)040400
国民民主党・新緑風会(25)025250
公明党(21)021210
日本維新の会(19)190019
参政党(15)015150
日本共産党(7)0770
れいわ新選組(5)0514
日本保守党(2)0220
沖縄の風(2)0220
チームみらい・無所属の会(2)2002
社会民主党(2)0220
各派に属しない議員(6)3223
合計123121117127

合計は、このページの足し算です。議長の報告(資料07 #40・#43)と一致します。賛成と反対の合計が会派の人数より少ないのは、投票しなかった議員の分です。

資料

番号資料種類確かめた日
01衆議院「衆法 第221回国会 27 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案」提出時法律案
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22105027.htm
公式資料2026-10-25(第1条・第2条・第18条・第19条・附則を読んだ)
02衆議院 同法律案の議案審議経過情報
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE2ACE.htm
公式資料2026-10-25(提出 簗和生議員ら8人・提出会派 自民と維新・受理 6月24日・付託 6月26日・審査終了 7月15日 修正・本会議 7月15日 修正・参議院 7月24日 可決・公布 7月31日 法律第78号)
03参議院 本会議の投票結果(副首都法案)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/touhyoulist/221/221-0724-v006.htm
公式資料2026-10-25(会派ごとの票の数)
04衆議院「衆法 第221回国会 25 大都市地域における特別区の設置に関する法律の一部を改正する法律案」議案審議経過情報
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE2AA6.htm
公式資料2026-10-25(提出 西岡義高議員ら2人・提出会派 国民民主党・無所属クラブ・本会議 7月15日 否決)
05参議院「参法 第221回国会 18」の審議経過と本会議の投票結果
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/221/meisai/m221100221018.htm
https://www.sangiin.go.jp/japanese/touhyoulist/221/221-0724-v007.htm
公式資料2026-10-25(提出 7月15日・発議者 奥村祥大議員ら4人・付託 7月21日・委員会 7月24日 否決・本会議 7月24日 否決・会派ごとの票の数)
06国会会議録 衆議院 本会議 2026年7月15日 #6(特別委員長の報告)・#8・#10(討論)・#20〜#22(採決)
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122105254X03220260715/6
会議録2026-10-25
07国会会議録 参議院 本会議 2026年7月24日 #26(特別委員長の報告)・#30・#34(討論)・#40・#43(投票の結果)
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122115254X03120260724/26
会議録2026-10-25
08国会会議録 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 2026年7月15日 #8・#9(山崎正恭議員と岩谷良平議員)
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122105367X01420260715/9
会議録2026-10-25

国会のやりとり

字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。

2026年7月15日 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(資料08)

山崎正恭 議員(中道改革連合・無所属)#8

[中略]副首都の指定要件、出先機関の集積や、人口、経済規模、そういうのを組み合わせますと、実質的に該当し得るのは大阪府にほぼ限られるのではないかという指摘が、複数の委員が繰り返しています。[中略]
率直に伺います。この法案は、防災と地方創生を考えて生まれた法律なのですか。それとも、特定の政治的目標を実現するための手段として、後から防災や多極分散という看板が用意された法律なんでしょうか。[中略]

岩谷良平 議員(提出者・日本維新の会)#9

この法律をなぜ作るのか、これは繰り返し申し上げておりますが、多極分散型の経済圏の核をつくるということ、それから、首都の大規模災害時にそのバックアップを果たしていく拠点をつくっていくこと、国家機能の継続性を確保していくためにつくる、これが我々の目的であり立法動機であります。[中略]
なお、ある特定の地域のための法律ではないのかという御指摘、これも何度もこの委員会で答弁をさせていただきましたが、複数の副首都が指定されることも想定していると立法者として明確に答弁をさせていただいたことも改めて申し添えたいと思います。

2026年7月24日 参議院 本会議(討論)(資料07)

岡崎太 議員(日本維新の会)賛成の討論 #30

[中略]日本では国の中枢機能がほぼ東京に集中しているため、首都直下地震や富士山の大規模噴火など大規模災害が発生し、首都中枢機能を維持することが困難となった場合に国の運営が立ち行かなくなることは、日本のカントリーリスクとして世界からも認識されています。[中略]

司隆史 議員(公明党)反対の討論 #34

[中略]本法案では、副首都指定の要件や基本方針は政府が定めるとされ、国会の関与は極めて限定的です。さらに、副首都が担う機能を定める基本方針が策定される前に副首都を指定すること、できる仕組みとなっており[中略]
第三に、都への名称変更は特別区を包括する副首都に限定をしている点です。[中略]

ほかに討論をした議員は、次のとおりです。

院発言番号議員会派立場
衆議院資料06 #8伊佐進一中道改革連合・無所属副首都法案に反対
衆議院資料06 #10阿部司日本維新の会副首都法案に賛成
参議院資料07 #28岸真紀子立憲民主・無所属副首都法案に反対
参議院資料07 #32足立康史国民民主党・新緑風会副首都法案に反対・同日選を避ける法案に賛成
参議院資料07 #36神谷宗幣参政党副首都法案に反対・同日選を避ける法案に賛成

会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。

経過

日付出来事出典
2026年6月24日簗和生議員ら8人(自民・維新)が副首都法案を衆議院に提出。同じ日に、国民民主党の西岡義高議員らが同日選を避ける法案を提出資料02・04
2026年6月26日衆議院の特別委員会に副首都法案を付託(30日に趣旨説明)資料02・資料06 #6
2026年7月9日同日選を避ける法案(衆法25)を同じ特別委員会に付託資料04・資料06 #6
2026年7月15日衆議院の特別委員会と本会議で、衆法25 を否決、副首都法案を修正議決資料06
2026年7月21日参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会に付託(参法18 も同じ日に付託)資料02・05
2026年7月24日参議院の特別委員会と本会議で、副首都法案を可決(賛成123・反対121)、参法18 を否決(賛成117・反対127)。副首都法が成立資料03・05・07
2026年7月31日公布(法律第78号)資料02

訂正の記録

なし

確かめた所と読むときの注意

確かめた所

読むときの注意

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