森ゆうこ議員の2019年の発言 会議録 API の本文に注記の字は無し 修正か「判決が確定した旨の注記」を求めた請願は、参議院で審査未了

テーマ:国会・議員|出来事:2019年10月15日(参院予算委の発言)〜2024年6月(請願は審査未了)|最終更新:2026年10月31日

国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。請願の中身と結果は、参議院のページの字です。名誉毀損の裁判は、報道と当事者の発信の字を、誰の字かを付けて書きます。札の ✓ は、会議録と参議院の請願の記録で照らしたことを指します。読むときの注意は、ページの終わりに書きました。

要点

  1. 2019年10月15日の参議院予算委員会で、森ゆうこ議員は、国家戦略特区ワーキンググループの民間の委員だった原英史氏の名前を挙げ、「これが国家公務員だったら、あっせん利得収賄で刑罰受けるんですよ」と述べました。2026年10月27日に国会会議録検索システムの API で取ったこの発言の本文と、その日の会議の全760発言に、注記の字はありませんでした。(資料01・09)
  2. 国会の発言には、憲法51条の「院外で責任を問はれない」があります。原氏は2022年2月15日の衆議院の公聴会で、議事録には削除を頼む「窓口がない」と述べ、「注記を議事録に加えるといった仕組み」の検討を求めました。2024年5月22日には柳ヶ瀬裕文議員が参議院予算委員会で、議事録の「修正ないし上記判決が確定した旨の注記」を求めました。この質問は柳ヶ瀬議員の質疑の最後の発言で、このあと委員長が質疑の終わりを告げました。柳ヶ瀬議員は同じ発言の中で、毎日新聞の記事の訴訟と、森前議員を相手にした訴訟の両方の確定に触れています。(資料02・03・04)
  3. 同じ趣旨の請願「国会会議録の修正などに関する請願」は、2024年6月に参議院の議院運営委員会に付託され、結果は「審査未了」です。結果の欄は「審査未了」で、採択・不採択のどちらでもありません。請願の中身の当否に、院が答えを出したものでもありません。紹介議員は浅田均議員(維教)、受理は2024年6月4日、付託は6月14日。請願の要旨は、国会の外の投稿などについて、森前議員(当時)が違法とされたことも書いています。森議員側は、2019年11月に住所の件で「個人の住所という認識がなかった」と述べ、会派が謝罪しました。(資料05・06・07)

根拠

発言・判決・会議録の関係

項目中身誰の字か出典
国会の発言(2019年10月15日)「これが国家公務員だったら、あっせん利得収賄で刑罰受けるんですよ」。仮定の形の発言。原氏は、同じ発言の中で「民間有識者」と呼ばれている会議録資料01 #221
国会の発言のもと2019年6月11日の毎日新聞の朝刊記事。森議員は同じ日の参院農林水産委員会で、この記事を資料として配った会議録資料08 #26
憲法51条「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」法令資料09
森議員を相手にした訴訟の対象国会の外の投稿(記事のデジタル版のリンク・原氏の自宅住所が載った登記情報)だけ。国会の発言は対象にしていない産経ニュース・原氏の公述資料10・02
一審(2022年3月18日 東京地裁)名誉毀損の成立と、住所の公開のプライバシー侵害を認め、385万円の請求のうち34万円の支払いを命じた。名誉毀損の判断の中身は、会食の費用を学校法人側が負担したとする記事を広めた部分について、費用負担を裏付ける証拠はないとしたもの産経ニュース資料10
森議員の件の確定2024年1月10日付の最高裁の決定で確定した、と述べている柳ヶ瀬議員の国会の発言(資料03)資料03
毎日新聞の記事の確定(別の訴訟)2024年1月10日付で最高裁が双方の上告を退け、二審の判決が確定。二審は、会食の費用負担の部分を「真実と認められず」として名誉毀損と認め、220万円の支払いを命じた。一方、コンサルタント料の部分は「原氏が受け取ったと示す記事ではなく、原氏への名誉毀損にはならない」と判断した。一審(2021年9月 東京地裁)は原氏の請求を退けていた朝日新聞・産経ニュース資料11・10
会議録の扱い国は「議事録の『不可侵性』」を理由に、裁判所の和解の勧め(注記の検討)を断った。2026年8月26日の報道時点の話産経ニュース(国家賠償の訴訟)資料12

比べ方の注意

修正・注記を求めた3つの場と、その答え

日付場求めたこと答え・結果出典
2022年2月15日衆議院 予算委員会公聴会(原氏が公述人)議事録に「苦情申立てを受けて、この部分は事実ではないとか争いがあるといった注記を議事録に加えるといった仕組み」の検討足立康史議員が「お孫さんは今日の議事録を見れば真実が分かるということですから、一歩前進だと思います」と述べた資料02 #4・#54
2024年5月22日参議院 予算委員会(柳ヶ瀬裕文議員の質疑の最後)参議院で「議事録の該当部分につき修正ないし上記判決が確定した旨の注記を追加すべく、必要な措置」#134 のあと、委員長が質疑の終わりを告げた資料03 #134・#135
2024年6月参議院 請願 新件番号2133(議院運営委員会)会議録の修正・注記/免責特権の濫用への対処と苦情申立ての手続の検討審査未了(採択・不採択のどちらでもない)資料05・06

ほかに、浜田聡議員も2024年6月13日の参議院総務委員会で触れています。「議事録がいまだに残っていることなどの問題もあります」「引き続き国会で取り上げていきたい」(資料04 #145)。

森議員側の説明・対応

資料

番号資料種類確かめた日
01国会会議録 参議院 予算委員会 第1号 2019年10月15日 #208・#221・#222
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120015261X00120191015/221
会議録2026-10-27(会議の API で全760発言を取り直し、#221 の字と、注記の字が無いことを照らした。#208・#222 は番組が 2026-10-23 に取った写し)
02国会会議録 衆議院 予算委員会公聴会 第1号 2022年2月15日 #4(原英史 公述人)・#54
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120805262X00120220215/4
会議録2026-10-25(番組が 2026-10-23 に取った写しと照らした)
03国会会議録 参議院 予算委員会 第18号 2024年5月22日 #134・#135
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121315261X01820240522/134
会議録2026-10-25(同上)
04国会会議録 参議院 総務委員会 第19号 2024年6月13日 #145
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121314601X01920240613/145
会議録2026-10-25(同上)
05参議院 請願の要旨(第213回国会 新件番号2133「国会会議録の修正などに関する請願」)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/213/yousi/yo2132133.htm
公式資料2026-10-25(番組が 2026-10-23 に取った写しを読んだ)
06参議院 付託された同趣旨の請願一覧(同 2133・議院運営委員会)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/213/futaku/fu21300292133.htm
公式資料2026-10-25(紹介議員 浅田均・会派 維教・受理 令和6年6月4日・付託 令和6年6月14日・結果「審査未了」・件数1・署名者数1)
07産経ニュース 2019年11月13日「国民・森参院議員、個人住所をHPで公開 「認識なかった」と釈明」/2019年11月14日「国民民主・森裕子氏の有識者住所公開問題で野党会派が謝罪」
https://www.sankei.com/article/20191113-GNFBAONWAFNKJH4RV6YB2KFABI/
https://www.sankei.com/article/20191114-EJS55DKILVNC3NB2PGY53VISD4/
報道2026-10-25(番組が 2026-10-23 に取った写しを読んだ)
08国会会議録 参議院 農林水産委員会 第15号 2019年6月11日 #26
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/119815007X01520190611/26
会議録2026-10-25(番組が 2026-10-23 に取った写しと照らした)
09日本国憲法 第51条(e-Gov 法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION
法令2026-10-25(法令 API で第51条を取得)
10産経ニュース 2022年3月18日「森裕子参院議員に賠償命令 戦略特区WG名誉毀損」
https://www.sankei.com/article/20220318-PE7OVTIPJVOT7BYCLOWGTJF6WQ/
報道2026-10-27(取り直して読んだ)
11朝日新聞 2024年1月11日「戦略特区めぐる記事は「名誉毀損」 毎日新聞の敗訴確定 最高裁」/産経ニュース 2024年1月11日「毎日新聞の逆転敗訴確定 原英史氏めぐる特区関連記事で名誉毀損」
https://www.asahi.com/articles/ASS1C4T1SS1CUTIL015.html
https://www.sankei.com/article/20240111-YAJZFJJCENLMPILV3AXTF3DYJ4/
報道2026-10-27(朝日新聞を取り直し、会食の部分とコンサルタント料の部分の判断を読んだ)
12産経ニュース 2026年8月26日「野党議員の国会質問で名誉棄損 東京地裁が国に和解勧告「議事録サイトに明記を」」
https://www.sankei.com/article/20260826-EUNX6PB6UFPHJKKCIQH4JMJIUA/
報道2026-10-27(取り直して読んだ)
13原英史氏の寄稿 アゴラ 2024年9月25日「国会における虚偽発言の放置に対する国家賠償訴訟の提起」
https://agora-web.jp/archives/240924061155.html
当事者の発信2026-10-27

国会のやりとり

字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。

2019年10月15日 参議院 予算委員会(資料01)

森ゆうこ(立憲・国民.新緑風会・社民)#208

[中略]国家戦略特区ワーキンググループ座長代理原さんと密接な関係にある会社が、特区提案者からお金を受けてコンサル業務をしていた。これ、どういうことですか。問題を作る試験官が生徒に問題の解き方を教え、そしてその採点までしていたと。これはおかしいじゃないですか。どうなっているんでしょうか、北村大臣。

森ゆうこ(立憲・国民.新緑風会・社民)#221

ワーキングは決めていない。
でもね、分科会のメンバー見ると、民間有識者原英史。原さんが決めているんですよ。おかしいじゃないですか、分科会が決めているから問題ないって。利益相反じゃないですか。普通だったら、これが国家公務員だったら、あっせん利得収賄で刑罰受けるんですよ。

金子原二郎 委員長 #222

時間来ております。
以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたします。[中略]

2022年2月15日 衆議院 予算委員会公聴会(資料02)

原英史 公述人(株式会社政策工房代表取締役)#4

[中略]森ゆうこ議員との訴訟、これは争点が異なります。なぜかというと、国会議員には免責特権があります。国会内での国会議員の発言は、原則、訴訟で争うことができないのです。ただ、森議員の場合には、国会での御発言以外にも、私の自宅住所の記載された文書をネットで拡散するなど、国会の外での不法行為がありました。これを訴訟の対象としています。
[中略]森議員の、先ほど申し上げた国会での発言、私が犯罪相当の行為をしたという発言は、国会議事録にそのまま掲載されています。[中略]国会議事録については、削除を要請しようにも、そんな窓口がないんです。[中略]
議事録からの削除は難しいのかもしれません。そうであれば、例えば、苦情申立てを受けて、この部分は事実ではないとか争いがあるといった注記を議事録に加えるといった仕組みを御検討いただけないものでしょうか。是非国会での御検討をお願いしたいと思います。

2024年5月22日 参議院 予算委員会(資料03)

柳ヶ瀬裕文(日本維新の会・教育無償化を実現する会)#134

[中略]最後に、株式会社政策工房代表取締役原英史氏の名誉回復のために発言をさせていただきたいと思います。
[中略]また、森前議員の国会院内での発言は免責特権の対象でしたが、森前議員がインターネット上で当該記事のデジタル版を転載したこと、さらに原氏の自宅住所を拡散したことについては、同氏が森前議員に対し訴訟を起こした結果、同日付けの最高裁判所の決定により、違法との判決が確定しました。以上を受け、森前議員は、自身のウェブサイトにおける上記パネル資料の掲載などを停止しました。
[中略]参議院において、早急に、議事録の該当部分につき修正ないし上記判決が確定した旨の注記を追加すべく、必要な措置を講じていただくようお願いします。
以上です。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

櫻井充 委員長 #135

以上で柳ヶ瀬裕文君の質疑は終了いたしました。(拍手)

会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。原英史氏は公述人なので、会派の欄はありません。2024年5月の時点で森氏は議員ではなかったので、柳ヶ瀬議員は「森前議員」と呼んでいます。

経過

日付出来事出典
2019年6月11日毎日新聞の朝刊記事。森議員が同じ日の参院農林水産委員会で記事を配る資料08
2019年10月15日参院予算委で「これが国家公務員だったら、あっせん利得収賄で刑罰受けるんですよ」資料01
2019年11月7日〜8日委員会に出した資料が森議員のサイトで公開され、原氏の自宅住所が載っていた。8日に黒塗りで載せ直す資料07
2019年11月13日・14日森議員「個人の住所という認識がなかった」。会派が議運の理事会で謝罪資料07
2022年2月15日衆院の公聴会で、原氏が議事録への注記の仕組みを求める資料02
2022年3月18日東京地裁、国会の外の投稿について名誉毀損とプライバシー侵害を認め34万円(一審)資料10
2024年1月10日毎日新聞の記事の訴訟が最高裁で確定(220万円)資料11
2024年5月22日参院予算委で、柳ヶ瀬議員が議事録の修正か注記を求める(答弁なし)資料03
2024年6月4日・14日請願2133 を受理・議院運営委員会に付託資料06
2024年6月請願2133 は審査未了資料06
2024年9月24日原氏が国を相手に国家賠償の訴訟を起こす(原氏の寄稿。産経ニュースは「6年9月」)資料13・12
2026年1月〜6月30日原氏が国を訴えた訴訟で、東京地裁が3回、和解を勧める。国は2回断り、原氏側は4月に「自身に関する質疑を対象とした要求を断念」した(産経ニュースの字)。3回目の検討の期限は9月8日。2026年8月26日の報道時点資料12
2026年10月27日会議録 API の #221 の本文に、注記の字は無い資料01

訂正の記録

なし

関連する解説動画

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本編(13分12秒)
国会で名指しされた民間人 住所もネットに 森ゆうこ議員の名誉毀損判決と「免責特権」 あなたは許せますか【2026年10月】
https://youtu.be/4nYSlrpKU5Y

本編の章:

本編の題と章の言い方は番組の見せ方です。このページでは、そのうち5:12〜10:23 の章(議事録に注記を求めた流れ)を照らしました。使ったのは会議録と参議院の請願の記録です。

確かめた所と読むときの注意

確かめた所

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