特別市の制度の推進法案 人口100万以上の指定都市などが、都道府県に包括されない「特別市」になる道をつくる 住民投票の過半数の賛成が条件
テーマ:国会・地方自治|出来事:2026年6月24日(提出)〜2026年7月24日(閉会中審査の申出)〜2026年10月5日(第222回国会で付託)〜審議中|最終更新:2026年10月31日
法律案の中身は、衆議院のページに載っている法律案の要綱と本文の字です。国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。第222回国会の会議録には、2026年10月25日の時点でこの法律案の審議はありません。
要点
- 国民民主党・無所属クラブは、第221回国会に、「特別市」の制度づくりを進める法律案を出しました。提出者は西岡義高議員ら2人です。特別市は、指定都市などを廃止して、その区域を「都道府県に包括されない一の基礎的な地方公共団体」にするものです。この法律案は制度の基本理念と方針を定め、政府に施行後1年以内をめどに法制上の措置を講じさせます。(資料01・02)
- 対象は、人口100万以上の指定都市などです。要綱の「関係指定都市等」は、①人口100万以上の指定都市、②指定都市と隣の市町村で合計100万以上、③さらにその隣の市町村まで含めて合計100万以上、の3つです。(資料02 第1の2)
- 特別市になるには、県と市の共同の申請と、国会の承認と、住民投票が要ります。市と道府県が協議会をつくって協定書を作り、それぞれの議会が承認したうえで、関係する市町村ごとに住民投票をして有効投票の過半数の賛成を得ます。そのうえで市と道府県が共同で申請し、内閣が国会の承認を経て定めます。(資料02 第2の2)
- 特別市は、原則として都道府県と市町村の事務をまとめて処理します。市長の事務を分ける区を置き、議会の同意を得て区長を選びます。特別市と、特別市の区域を包括しなくなった道府県の間で財源の均衡をとる制度も検討する、と書いています。第221回国会では衆議院で審議されないまま閉会中審査に回り、第222回国会の10月5日に地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会に付託されています。(資料01・02・03)
根拠
法律案の中身(要綱の項目ごと)
| 項目(条) | 中身 | 出典 |
|---|---|---|
| 関係指定都市等(第2条) | 人口100万以上の指定都市/指定都市と隣接の市町村で合計100万以上/さらにその隣接の市町村まで含めて合計100万以上 | 資料02 |
| 特別市の設置(第2条) | 関係指定都市等を廃止し、その区域の全部で、都道府県に包括されない一の基礎的な地方公共団体を置く | 資料02 |
| 法制上の措置(第6条) | 法制上・財政上・税制上の措置。法制上の措置は施行後1年以内をめど | 資料02 |
| 区分(第7条) | 地方自治法第1条の3第1項の特別地方公共団体 | 資料02 |
| 手続(第8条) | 協議会で協定書→各議会の承認→関係指定都市等ごとの住民投票で有効投票の過半数→共同の申請→内閣が国会の承認を経て定める。住民投票の期間は、議会の選挙・長の選挙の期間と重ねない | 資料02 |
| 組織(第9条) | 議会・市長・副市長など/区を置き、区長は議会の同意を得て市長が選任/区ごとの議員の常任委員会 | 資料02 |
| 事務(第10条) | 普通地方公共団体の事務を処理するのが原則(都道府県が市町村について行う事務などは除く)/広域の事務は都道府県と連携・共同処理 | 資料02 |
| 必要な措置(第11条) | 国と都道府県の広域の連携の仕組み/特別市と都道府県の財源の均衡化の財政調整の制度などを検討 | 資料02 |
| 施行(附則) | 公布の日 | 資料02 |
比べ方の注意
- 住民投票は、要綱では「関係指定都市等」の選挙人の投票です。道府県全体の住民の投票は、要綱には書いてありません(資料02 第2の2(3))
- 第221回国会の参議院の委員会では、同じ件名の「特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案」について、2026年7月22日に国民民主党・新緑風会の奥村祥大議員(発議者)が趣旨を説明しています。これは参議院議員が出した別の法律案(参議院の議案)で、この記事の衆議院の法律案とは別の議案です(資料05)
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 衆議院「衆法 第221回国会 24 特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案」議案審議経過情報 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE2CFE.htm 参議院の議案のページ https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/222/meisai/m222090221024.htm | 公式資料 | 2026-10-25(提出者 西岡義高君外一名・提出会派 国民民主党・無所属クラブ。衆議院の付託 2026年10月5日 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会。審査終了・審議終了の欄は空。参議院のページの提出日 令和8年6月24日・衆継続) |
| 02 | 衆議院 同法律案の本文と要綱 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22105024.htm https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g22105024.htm | 公式資料 | 2026-10-25(要綱の第1〜第3をすべて読んだ) |
| 03 | 国会会議録 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 2026年7月24日 #2・#3(閉会中審査の申出) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122105367X01520260724/2 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 04 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 に、発言の API で第221回国会・語「特別市の設置に係る制度」を検索。32件(衆議院は7月15日の会議録情報と7月24日の閉会中審査の件。ほかは参議院の委員会)。第222回国会の会議の一覧(28件)のうち、この法律案を審議した会議録は0件 |
| 05 | 国会会議録 参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会 2026年7月22日 #12・#13(参議院の法律案の趣旨説明) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122115382X00720260722/13 | 会議録 | 2026-10-25(発言の API の抜き出しで、発議者と会派を確かめた) |
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年7月24日 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(資料03)
丹羽秀樹 委員長(自由民主党・無所属の会)#2
次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
西岡義高君外一名提出、特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案[中略]以上の両案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
丹羽秀樹 委員長(自由民主党・無所属の会)#3
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。[中略]
会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。第221回国会の会議録では、この法律案の趣旨説明と質疑は見つかりませんでした。第222回国会の会議録にも、2026年10月25日の時点でこの法律案の審議はありません。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年6月24日 | 提出(参議院のページの提出日) | 資料01 |
| 2026年7月24日 | 衆議院の委員会が閉会中審査を議長に申し出ることに決めた | 資料03 |
| 2026年10月5日 | 第222回国会で、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会に付託 | 資料01 |
| 2026年10月25日現在 | 衆議院の審査終了・審議終了の欄は空 | 資料01 |
| この後 | 委員会・本会議の採決と会派の賛否は、衆議院の記録に載ったらここに足します | 資料01 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 関係指定都市等・特別市の設置の手続・組織・事務・措置は、衆議院のページの要綱(資料02)をすべて読んで確かめました(2026年10月25日)
- 閉会中審査の申出は、国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました
- 第222回国会の付託の日と、審議中であることは、衆議院の議案のページ(資料01)で確かめました
