自動車盗難対策の推進法案 AI などで犯人と盗難車を追跡 違法な解体場所への立入検査と、税関での輸出の検査を強める
テーマ:国会・治安|出来事:2026年6月23日(提出)〜2026年7月24日(閉会中審査の申出)〜2026年10月5日(第222回国会で付託)〜審議中|最終更新:2026年10月31日
法律案の中身は、衆議院のページに載っている法律案の要綱と本文の字です。国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。第222回国会の会議録には、2026年10月25日の時点でこの法律案の審議はありません。
要点
- 国民民主党・無所属クラブは、第221回国会に、自動車の盗難の対策を国と地方がまとめて進めるための法律案を出しました。提出者は橋本幹彦議員ら4人です。国と地方公共団体の責務と基本方針を定め、政府に「必要な法制上又は財政上の措置その他の措置」を講じさせる法律です。同じ日に、解体業者に本人確認を義務づける法律案(衆法221回20号)も出ています。(資料01・02)
- 基本方針は、盗難の手口の実態を前提にしています。要綱は、盗んだ車をすぐに塀で囲まれた外から見えない場所に運んで解体し、国内で売るか輸出する犯行が一般的で、組織的に行われていることなどの「実態に即して」対策をとる、と書いています。(資料02 第一 三)
- 取締りでは、人工知能の技術などで犯人と盗難車を追跡する捜査を進めます。捜査の人員の増員、都道府県警察どうしの連携、被害届の手続きの簡素化、国外に逃げた犯人に備えた国際刑事警察機構などとの連携も挙げています。(資料02 第二 一 1)
- 解体・流通・輸出の各段階にも施策を並べています。違法な解体などの疑いのある場所の調査と立入検査、中古車を引き取る業者による本人確認の徹底、ネットの取引の場での盗難車の取引の防止、税関での大型のエックス線検査装置の活用と職員の増員などです。小売店舗での集団の窃盗にも、同じような施策を当てるとしています。第221回国会では審議されないまま閉会中審査に回り、第222回国会の10月5日に内閣委員会に付託されています。(資料01・02・03)
根拠
法律案の中身(要綱の項目ごと)
| 項目(条) | 中身 | 出典 |
|---|---|---|
| 基本方針(第3条) | 盗取・解体・売却・輸出が組織的に行われる実態に即して対策/盗難車の早期発見と取戻し/取締り・廃棄物・取引の施策の連携/小売店舗の集団窃盗等にも同様の施策 | 資料02 |
| 責務(第4条〜第6条) | 国は総合的に策定・実施、地方は地域の実情に応じて。政府は法制上・財政上の措置 | 資料02 |
| 取締り(第7条) | 人工知能関連技術などで追跡する捜査/人員の増員/都道府県警察の連携/被害者の届出の簡素化/国際的な警察機関との連携 | 資料02 |
| 違法な解体場所(第8条) | 疑いのある場所の情報収集・調査/立入検査・外国語での指導/警察との連携 | 資料02 |
| 流通の防止(第9条) | 引取業者・古物商などに本人確認の徹底を促す/デジタルプラットフォームでの取引を防ぐ取組/警察と事業者の情報のやりとり | 資料02 |
| 輸出の防止(第10条) | 輸出の証明書の確認の徹底/大型のエックス線透視装置などの活用・職員の増員/税関・港湾管理者などへの情報提供 | 資料02 |
| 部品・取戻し・予防(第11条〜第13条) | 自動車検査証の記録事項の見直し/国外で見つかった盗難車の取戻しの支援/防犯装置・撮影機器の推進、エンジンを動かす機器の流通の防止 | 資料02 |
| 連携(第15条) | 警察庁・財務省・経済産業省・国土交通省・環境省・外務省などと事業者の協議の場 | 資料02 |
| 小売店舗(第16条) | 小売店舗での集団窃盗等に、効果的な同様の施策 | 資料02 |
| 計画(第17条) | 国家公安委員会と関係大臣が、目標・計画などを定めて公表 | 資料02 |
| 施行(附則) | 公布の日 | 資料02 |
比べ方の注意
- この法律案は、罰則や事業者への義務を新しく作る法律ではありません。業者に本人確認を義務づけ、罰則を設けるのは、同じ日に出た「盗難自動車等の処分の防止に関する法律案」(衆法221回20号)です
- 自動車の盗難の件数などの数は、法律案にも要綱にも書いていません
資料
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 衆議院「衆法 第221回国会 19 自動車盗難対策等の推進に関する法律案」議案審議経過情報 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE2D06.htm 参議院の議案のページ https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/222/meisai/m222090221019.htm | 公式資料 | 2026-10-25(提出者 橋本幹彦君外三名・提出会派 国民民主党・無所属クラブ。衆議院の付託 2026年10月5日 内閣委員会。審査終了・審議終了の欄は空。参議院のページの提出日 令和8年6月23日・衆継続) |
| 02 | 衆議院 同法律案の本文と要綱 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22105019.htm https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g22105019.htm | 公式資料 | 2026-10-25(要綱の第一〜第三をすべて読んだ) |
| 03 | 国会会議録 衆議院 内閣委員会 2026年7月24日 #2・#3(閉会中審査の申出) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122104889X02720260724/2 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 04 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 に、発言の API で第221回国会・語「自動車盗難対策等の推進」を検索。3件(7月24日の議院運営委員会と内閣委員会の閉会中審査の件だけ)。第222回国会の会議の一覧(28件)のうち、この法律案を審議した会議録は0件 |
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年7月24日 衆議院 内閣委員会(資料03)
山下貴司 委員長(自由民主党・無所属の会)#2
次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
橋本幹彦君外三名提出、自動車盗難対策等の推進に関する法律案
及び
西岡義高君外三名提出、盗難自動車等の処分の防止に関する法律案[中略]以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
山下貴司 委員長(自由民主党・無所属の会)#3
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。[中略]
会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。第221回国会の会議録では、この法律案の趣旨説明と質疑は見つかりませんでした。第222回国会の会議録にも、2026年10月25日の時点でこの法律案の審議はありません。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年6月23日 | 提出(参議院のページの提出日) | 資料01 |
| 2026年7月24日 | 内閣委員会が閉会中審査を議長に申し出ることに決めた | 資料03 |
| 2026年10月5日 | 第222回国会で、内閣委員会に付託 | 資料01 |
| 2026年10月25日現在 | 衆議院の審査終了・審議終了の欄は空 | 資料01 |
| この後 | 委員会・本会議の採決と会派の賛否は、衆議院の記録に載ったらここに足します | 資料01 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 基本方針・責務・施策・施行は、衆議院のページの要綱(資料02)をすべて読んで確かめました(2026年10月25日)
- 閉会中審査の申出は、国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました
- 第222回国会の付託の日と、審議中であることは、衆議院の議案のページ(資料01)で確かめました
読むときの注意
- 要綱の基本方針にある犯行の手口の説明は、提出者の法律案の字です
